脇、の脇の、脇役って無理ですかね?
絶対に舞台には登場しないっ!
て、目標だったんだけど、やっぱ変更。
脇、の脇の、脇役になりたい。
あ、目標じゃなくて、願望。
もう、願掛けしようかな。また。
近くの神社、あそこ、姉がマネージャーになりますようにっ!て、毎日願掛けしたら叶ったからね!
ああう、意識とんでた!
とりあえず、この目の前の男をどうにかしないと!
「…で、いつになったら教えてくれるのかな?」
フェミニスト気取っているが、騙されるでないぞ?諸君!わははは!…どうした?!私!
「くふふふ、しがない一般人です。えぇ、街中を歩く中学生です」
「…中学生?まさかー!」
「いえいえ、中学生です」
「君、そんなキャラだったっけ?」
いやー、そんなキャラって?あなたとお会いしたのは、初ですが?
「ですからー、違うっていってます!」
ちらり、時計を見る。
「あわわわわわ!やばやば!宿題ぃぃい!」
先生に、バンド活動禁止されちゃう!
「──さらば!」
駆けていく、私。
追いかける、めっさイケメン。
おおぅ、くんなや!
「……なぜ、ついてくる!御主!」
「わー、楽しいね?時代劇?」
「ちがーう!くるでない!」
「やっぱ、時代劇?俺、時代劇好きなんだよねー!殺陣とか、やってみたいんだよね!」
いいから、あんたの好み!来るなって!
走りながら、喋るの結構きついんだからね!
しかも、guitar背負ってるんだからね!
私の、ハイスペック運動能力を発揮して、逃げ延びた。さっすが!主人公をネガティブにさせるほどのハイスペック妹だぜ!ま、滅多に使わないんだけど。
ほら…、目立ちたくないじゃん?
あー、疲れた。あいつ、くそ面倒くさい。絶対に会いたくない!攻略対象者たちに!もう、あと何人いるんだっけ?
佐々木獅眞、花崎空、そして、紅野梁。
佐々木獅眞は、見ただけだけど。
会いたくねー、姉よ、私の見えない所で恋愛してください。
お願いします。
ただ、状況は教えてね?
って、いいたーい!