ギターの相手(獅眞side)
ひょんなことで、てゆーか。
俺らに全然興味を持たない、沢原桜実をマネージャーに勝手に指名。嫌そうな顔でマネージャーをやるあいつは、結構俺らに気に入られている。……気づいてないが。
ミーハーで、嫉妬心強い女に散々なめにあった俺らにとって、新鮮なわけだ。
最初は、地味な女だから余計にいい、と思いきや……
素顔はアレだ。
ちょっとした、ハプニングでメガネがおちた瞬間現れた素顔に、俺らはドキッとした。
「…喜ぶかな…あの子」
───ピックを買った桜実は、ホクホク顔だ。……いや、まて。俺の楽器!!
「いつ、渡そう……!もう、今すぐ会いたい!」
え、彼氏?ちょっと気になる。
こいつの彼氏なら、当然素顔はしってるわけだ。
へぇ、興味がでた。
「今からいけば?送ってやる」
「───嫌だ。絶対!だめ!あの子は、絶対!だめ!」
は?あの子?なんか、彼氏じゃない?
「…あの子にあわせたくない…あの子、守る。」
おいおーい、俺はそんなに、そのギターの相手にあわせたくないやつなのかよ?
「……あの子は、本当にかわいいから、野獣に見せたら…!」
女、だな。
「へぇ、そんなにその女にあわせたくないんだ?」
「なんで、女って!」
「やっぱ、女か」
「しまっ……!」
はめられてやんの。くくく、興味ますますでた。
追いかけ回して、絶対にあってやる。