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エンゲブラ的短編集

【1分ショート】八歳の恋、八十歳の別れ

作者: エンゲブラ

時間は、あまりにも残酷だ。


彼と初めて出逢ったのは、私がまだ八歳の頃だった。

彼は、その時、すでに絶世の美男子ぶりで、ひと目で私はのぼせ上った。


十年しつこく付きまとって、何とか結婚。

「わずかな時間ではあるが、君が死ぬまで見守ろう」

と彼が誓ってくれた時、私は幸福の絶頂を覚えた。


すぐに、ふたりの男子にも恵まれた。

けれど、彼らの成長は非常に遅く、今もまだ幼い姿をしている。


そして、彼もまた、初めて出逢った頃の姿とほぼ変わらず、今も私の手を握り、死の床に伏す私を見つめていた。


「……そろそろ逝くのか?」

「ええ、これまで本当にありがとう」

「時は残酷なものだ」

「……ほんと」


まだ小さな息子たちも、老婆となった私の最期を見つめ、涙を浮かべていた。


―― これはエルフに恋をし、結婚し、子を産んだ人間の女の物語。


エルフの旦那は、ほぼ歳を取らず、

子供のハーフエルフたちもまた、非常に成長が遅かった。


そのため、彼女だけが家族の中でひとり、急速な老いを経験し、様々な絶望を抱えながら、先に死の床に就くこととなった。

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