光を閉ざした日
僕は、浜岡光、中学2年生初めて、自分が違和感を感じたのは、3歳の時、母親とショッピングモールでの買い物の日『光ちゃん、この服レースが付いててかわいいね』、そうにこやかに笑う母親に僕は、『ぼく、このレンジャーの絵が付いた服がいい』そう言い父親は、笑って『それは、かっこいいな、光』姉の冴香も『いいんじゃない』と言っていたが母親だけは、落ち込んでいたのか沈んでいる声で『でも、お母さんは、こっち着てる光ちゃんみたいな』なんて言い父親も姉も母親に気を遣っていたが、僕は、服をぎゅっと握って『嫌だ、ぼくは、この服がいいの』って言うと母親はさらに悲しそうな顔をして、『そう、分かった。』と泣き出し、父親は僕の顔を険しい顔で見つめそれがたまらなく申し訳なって嫌々、母親の進めた服を買った。なんで、僕は、男の子の服を着たいって言っただけで母親が悲しむのか、どうして、僕は、髪を伸ばしているのか、そこから僕は、自分の性に違和感を感じるようになった。『光、朝ごはんできたよ』母親のご機嫌な声に僕は返事をして、リビングへと向かった。リビングには、エプロン姿からでも分かるレースの付いた服を着る母親とスーツ姿の父親がいた。テーブルには、こんがり焼いたパンの上にとろーり溶けているバターとインスタントのスープに手の込んだであろうレタスやトマトにクルトンの入ったシーザーサラダと目の前には、半熟のスクランブルエッグが乗っていた。『今日も気合い入ってるね』そう独り言のようにつぶやくと母親は、穏やかに笑って『そりゃ、今日から光2年生だもん、気合い入れるよ、』『そう、』僕は、母親の話を半分無視して、トーストに噛り付き両親の話を無視して、学校へと向かった。向かう途中『よっ光おはよう』幼馴染の山戸咲奈と出会う佐紀は、母親のママ友の娘で社交的で明るいが根暗な僕にもよく接してくれるイイ奴だ。咲奈は、僕に挨拶するなりいきなり『今年、同じクラスだといいね』と言った。うちの学校は、一学年7クラスあるいわゆるマンモス校ってやつだなれたら運はいいけど「光、学校まで競走ね」そう、咲菜が急かし、僕は軽く返事してから学校へと向かうのだった。