表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最後の独白  作者: 日雀
1/8

彼女

初連載小説

あたたかい目でお付き合いください。



 僕には友達が1人いる。彼女は僕を知らないが僕にとって唯一の友達だ。誰が描いたのかいつからこの家にあるのかもわからないこの絵で彼女は暮らしている。

 僕は日々、勉強や工作、お人形遊びをする彼女を見守りながら、その日の出来事を彼女に語りかける。もちろん返事はないが、楽しそうに暮らす彼女を見守ることで幸福感を得られる毎日がとても楽しい。


僕と彼女の共通点は、「親」という存在がもう居ないこと、そして物造りが好きなところだ。いつも彼女は編み物や裁縫で可愛らしい帽子や洋服を作ってはお人形に着せて遊んでいた。完成が近付くと窓に向かって作品をかざし満足そうな顔をする。その顔を見ると僕も嬉しくなる。僕が作る物と言えば井戸で使うような木の樽みたいな物しかないが、物造りという点で彼女と共通点があるのは嬉しく思う。

彼女は本を読むのは苦手なようで、たまに絵に現れる3本脚の女の人が置いていく本にはほとんど触れず、たまに読んだかと思えばかくんかくんと首を動かして眠っている。僕はこの家にあった本は全て読んでしまったくらい本が好きだから彼女と違うところがあるのも面白いと思っていた。


彼女は時々変な行動をする。外から帰ってきた彼女が大事そうに抱えるいつもの紙。彼女がその紙を読むときはいつもソファの上と決まっている。ゆっくりと丁寧に紙を広げる彼女の顔は頬がうっすらと赤く、笑顔でとても可愛らしい。その様子はまるで『氷の融解』という本で主人公が“恋”というものを経験したときの描写に似ている。どうもその紙は彼女の好きな人、若しくは恋人という存在からのようで、その幸せそうな顔を見ると僕も嬉しくなる。しかし、そこまでは良いのだがその後の行動が少し、いやだいぶ変なのだ。ゆっくりと紙を広げた彼女は本を読むときと違ってとても集中して紙を読む。そして、読んだかと思えば一点で目を止め小さく口を動かす。そこから急にバタバタと足をソファへ蹴り付け紙をくしゃくしゃにしないように腕に顔を押し付ける。それを何度も、紙をいつものソファの下の箱にしまうまで、本当に何度も繰り返すのだ。



ミステリーなのかホラーなのかそういったジャンルの小説を読んだことがないためこの小説の分類が良くわかりません。(じゃあ書くな)

認識に間違いがあれば教えていただけますと幸いです。

同じタイトルの書籍があります。そちらの書籍はどうやら某有名人のインタビューのようですが、問題ありそうでしたらまた考えます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ