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8話

どの時間に更新するか悩んでます。

 紅茶に舌鼓を打っていると、老子さんがまたやってきた。


「少しは休めたかの?」

「美味しい紅茶でとってもリラックスさせてもらったよー」


 というかそこまで疲れてもなかったけど。紅茶が美味しいのでお釣りが出るくらい。


「そうか、それは良かった。さて、実は頼みたいことがあるんじゃが聞いてくれないかの?」

「聞くだけならいくらでも?」


 頼み事に応えるとは言ってない。言えるわけもない。というか、そのつもりがあるように聞こえないし。老子さん、私に対して凄い優しい感じがするんだよね。


「助かるの。実は、エラーコードに対しての考察を進めるために、この国の近衛兵と音和とで立ち合いをしてもらいたいと考えておっての」

「え、イヤだよ。っていうか返事わかってるでしょ。私暴力嫌いだし、手加減は苦手だし、下手しなくても殺しちゃうと思うし。恨みのない人にそんなことしたくないし」


 手加減は物凄く苦手。そもそもリアルで学んできたことのせいで、夢でイメージするモノに偏りが出来ちゃってるからなあ。


「そうだの、そこは断ると思っておったわい。出来れば人相手の動きを見たかったというのはあるのだがの。攻撃は的相手にだけにするのなら可能かの?」

「うーん、まあ、いいけど。どういう内容でやるの? それによるかなって」


 別に能力を見せること自体は構わないし、それくらいなら美味しい紅茶で満足している今の私ならOK出すよ。


「魔法での戦闘に加えて、武器での近接戦闘は出来るのかを見たいのじゃ。傀儡相手に立ち回ってくれたら助かると思っておるよ」

「んー、強さどれくらい?まあ壊して良いなら別に構わないよ」


 万が一嫌がらせで私より強いのとか、大量に使ってくるとか、そういうのが起きたらイヤだなあとか思いつつ。


「基本は一対一から、増やしていく予定じゃ。強さとしては儂が上げられるレベルまでだの。近衛兵とは対等か、数を増やせば弱くなってしまうから安心して大丈夫じゃ」

「近衛兵の強さを知らないから大丈夫なのかわからないのだけどね?でも、老子さんよりは弱いのかな、そうなると」


 やっぱり老子さんは老子って言われることだけあって強いんだなぁしみじみ。


「そうじゃの。完全に不意を打たれない限りは一対一では負けんよ。多対一でも、魔法を使う時間があればなんとでもなるの」

「やっぱりなあ。私も油断したら丸焦げにされそうだもん」


「危なげなく、しかも全部消し去っておいて何を言っておるんじゃ……。さて、今から行くかの? それとも一晩休んで明日からでも大丈夫じゃが」


 あれは来ると思ってたから消し去れただけなんだけどねぇ……。


「今からでいいよ、私眠るの嫌いだから一晩休むっていってもあまり変わらないから」


 むしろ眠るとコンディションが下がるとも言えるレベル。


「じゃあ訓練所まで行こうかの。そう言えば、行ったことのないところへの転移は可能なのか聞いても良いかの?」

「不可能ではないけど、基本的には無理かな。方法がないわけじゃないから、出来ないとは言わないけどね。ただ、いつでもどこでも行きたいところに行けるってわけじゃないから安心して良いよ」


 まあ暗殺は得意だけど。言わないけど。その人をイメージすればその人の傍に行くことが出来るから、暗殺しやすいんだよね。むしろ、遠距離から暗殺も出来るし、その人が死んだ、でいいしね。やらないけど。


「ふむ、方法とやらが気にはなるが……転移能力は切り札にもなりうるしこれ以上は聞かないでおこうかの。あとはアドバイスじゃが、この国では、というかこの世界では、長距離の転移が出来る人材はおらんから、もし可能だとしても言わない方がよいぞ。下手したら毎日暗殺に怯える日々や、他の国からの勧誘の日々が来るかもしれないからの」


 あ、それは面倒。怯えることはないけど、毎日変な人達がやってくるのは純粋にめんどくさい。


「そのアドバイスは助かるなあ。戦うときに短距離転移するだけにしとくよ。ありがとう。短距離転移なら使い手はいるの?」

「一応、いなくはない、と言ったレベルかの。一回使うだけで魔力が足りなくなる人の方が多いが、そもそも異世界からの勇者なら歴代でも使っておったものは多数居ったという話じゃから、音和が使う分には問題なかろう」


 なるほど、勇者補正で使ってても問題ないってことか。


「歴代の人達に長距離転移が出来た人はいないの?」

「おる。だからこそのアドバイスじゃな。他の国に勧誘されたあげく、暗殺者に追われ続け、魔族との戦いどころではなくなった、という勇者が居たという伝聞もあるのでな」


 あー、そりゃそうか。他の国に持ってかれたら、純粋な脅威にしかならないもんね。国境とか関係なく、時間も関係なく、唐突に自分の国に現れて、勇者としての力を振るうことが出来るモノ、か。そりゃ可能なら殺してしまいたくなるね。下手したら魔王とかいうのより脅威じゃん。


「なるほど納得。っていうか私、歴代の人達のこと全く知らないのだけど、そういうのって聞いても平気なの?」

「問題はないのだがの、別の問題があっての。200年周期なもので、毎回伝聞でしか残らん。一応王城では記録はしているのだがの。数百年経つと書物も読めなくなるものが多数じゃ。だから教えたくても教えられない部分が多いというのを知っていて欲しいの。別に教えたくないから隠しているというわけではないからの」


 そういえば、そんなのだから説明書も失ってしまったんだっけ。歴史というのは難しいね。現代みたいにデータに残せたらまた別なんだろうけど。


「さて、そろそろ訓練所に着くが、準備で必要なものはあるかの? 武器などで必要なものがあれば準備させるがの」


 あら、いろいろ考えながら話してたらもう到着か。

読んでいただきありがとうございます。

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