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5話

夜中にも更新してますのでご注意ください。

「判断する、ということは。本当に敵なのか敵じゃないのか、確認して敵だったら倒してくれる、ということで良いのかの?」

「それで良いよ。襲ってくるなら仕方ないから倒すしかないもの」


 暴力は使いたくないけど、使われるよりマシだからね。正当防衛は大事、舐められないために。


「そうか、やってくれるか! ならばあれを持ってきてくれ!」


 ん?何か貰えるのかな。いや特に欲しいものは今のところないけれど。


「準備してあります、どうぞ」


 予め準備してあったのか、王様の後ろ側に居た護衛なのか魔法使いっぽい人が何かスマホみたいな板を手渡している。なんだろう。


「音和よ、これは主に魔力適正を計るものじゃ。この世界の魔力は曲者での。使い手を選ぶんじゃ。魔力は生きているとも言えるの。優秀な者は、魔力と対話をしながら生きているのじゃ」


 ただの物質というか、空気みたいな存在ではないのね。精霊みたいなモノかな?


「とりあえず、それに私は何をしたらいいの?」

「これに手を翳して貰えれば良い。そうしたら次の指示が出る」


 なんか機械みたいだね。


「もしかして過去に召喚された人が作ったとかそんな感じ?」

「ほう、使ってもいないのにわかるのか。やはり異世界にはこのような物がたくさんあるのか?」

「まああるかな。指示出してくれるモノは結構あるよ。使ってみないと何を元にしたのか、そもそも元にしたものがあるのかはわからないけどね」

「そうか。とりあえず使ってみてくれ」

「了解―」


 えーっと、手を翳せばいいのね。


『未登録者を検知。診断プログラムを開始。……開始出来ません。エラーコード201、エラーコード1,001。エラーコードに関しては取り扱い説明書を確認して下さい。診断プログラムを終了します』


 なんか変なの出た……えぇ……。


「ちなみに取り扱い説明書、あります?」

「説明書は1,200年前に破損し、最終的には紛失したと言われております」


 すぐさま持ってきてくれた人が答えてくれた。じゃあ無理じゃん! エラーコードってなんなの!?


「エラーコードの伝聞は残ってないのかの?」

「良く発生する101から109は判断できます。201は説明書紛失後に出たという情報は残っておりますが、その時も内容は不明です。そして、エラーが1,000番台まであるという情報がまずありません。201が出たときの異世界人の情報が残っているかどうか、確認して参りますか?」

「頼む、人手は自由に使って良い」

「かしこまりました、可能な限り早く確認作業を進めます」


 なんかとんとん拍子で話が進んでいる。とりあえず私は悪くないという方向で良いんだろうか?


「音和よ、何か心当たりはあるかの?魔力に関することではなくても、そもそも診断自体が出来ないということが稀なようなのでの」

「いや、流石に……それで診断した結果、どういうものが出るのかがわからないからなんとも言えないよ」

「それもそうじゃの。ちょっと貸してくれんか、儂が診断してみよう」


 お、明らかに強いポジションな老子さんがやってくれるとなると、この世界のシステムがちょっと知れそうでなんか嬉しい。


『登録者を検知。……診断プログラム1が選ばれました、開始します。現在の平均魔力適正度は84です。診断プログラム2を開始します。現在の体内魔力バランスは火の比率が高くなっています。……診断プログラムを終了します』


「と、まあ。途中じゃが、こんな感じで簡単なものが結果として出るんじゃ。診断が出来なかった、ということは、平均魔力適正度を計ることすら出来なかった、ということになるの。心当たりはやはりないかの?」


 ふむふむ、そんな感じなのか。適正度の84が高いのか低いのかはわからないけど、魔力バランスは得意属性みたいな感じかな? さっきも大量の火球をまとめて放ってきていたし。でも診断出来ない理由かぁ……。


「もし適正度が0の場合はどうなの?」

「音和が0ということはないと思うがの、0でも診断は出来るのぅ」

「じゃあごめん、心当たりはないや。その端末? が診断出来る範囲がどういうものか全くわからないからさ」


 本当にわからない。どういうシステムで動いているのかわからないから、判断のしようがない。


「まあ音和は既に戦えるからの、診断が出来なくても問題はそこまでなかろうよ。エラーコードを後世に残せるという意味で今動いている部分があるからの、音和は気にしなくて大丈夫じゃ」


 あー、説明書紛失してるんだもんね、少しでも情報が残せると後世の人達が助かるのか。なら私は気にしなくて良いか。いやもともと気にしてないけどね。


「そう。あ、さっき待ってて暇なときに試したけど、簡単な魔法なら使えるよ、こんな感じに」


 そう言って、手のひらの上に小さな火球を浮かべてみる。


「ほぅ……魔法の説明を一切受けずにのぅ。さっきの転移や空中浮遊には魔力を使っていなかったのに、今回のものはしっかり魔力を使っておる。どういう仕組みじゃ?」

「魔力を使っての転移も多分出来るよ、まだ練習してないけど。ちょっとやってみようか?」


 多分出来る。夢の中ではイメージがすべてだから。


「転移は勘弁してくれんかのぅ? さっきのようなことになったら困る。少し浮いてみるだけで充分じゃ」

「了解了解ー」


 魔力って生きてるんだっけ。じゃあ、こうかな。

『魔力が私を持ちあげてくれて、私は自由に浮かび上がる』


「おっ……と」


少しバランスを崩す。魔力のイメージがまだあやふやなところがあるせいかな。『自由に』って思い浮かべてなかったら酷いことになってた可能性があるから、もっと強くイメージし直してバランスを正す。


「大丈夫かの?魔力の動きが結構乱れたが」

「大丈夫、ぶっつけ本番だったから。もう慣れた」


 魔力関係は扱うときにしっかりイメージを固める必要がありそうね。

読んでいただきありがとうございます。

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