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2話

出来るだけさくさく進めたいと思ってます。

「なんだその、反則というか、無茶苦茶なモノは。それでは神に等しい力ではないか、何故呪いと言う?」

「呪いでしかないよ。ただ世界を楽しみたいのに、楽しめないのだから。自由なのに不自由という矛盾。捨てられるのなら捨ててしまいたい、そんなモノなんだよ」


 夢の住人になどわかるはずがない。そもそも現実の人間にだって理解されない。好きな夢が見られるんだ、と羨ましがられるだけだ。そのうち相談することも辞めた。誰かに話したって意味がない。出来るだけ寝ないようにすることだけが、私に出来ることだった。


「そうか……音和には音和の悩みがあるということか。それでもその能力について、王達には話したいと思うが、平気かの?」

「別に良いよ。まあ、変に利用しようとするのなら、それ相応の態度は取るけれど。その辺りはお爺さんに任せるよ、なんか権力ありそうだし、王様にも話せるんじゃない?」


 使いたくないモノを使わせられるなんて地獄でしかないから。それを強要するのなら私は私のやり方でどうにかするしかない。

 それでも『なんとなく、王様は私を利用しようとするんだろうな。そういう夢な気がする』


「王達の考えは儂には読めんがの。実力の一端は見させて貰ったからの、申告はさせてもらうことにしておこう。さて、儂は先に王達に話を通しておくから、しばらく待ってて貰っても良いかの?警備の者に案内を頼んでおく」

「わかった。変な人じゃなければ良いよ。待ってる」




 警備の人は普通の人だった。というか職務に忠実かつ、こちらを勇者として見ている節がある。まあそのつもりで召喚したのだろうけど、そこまでの器じゃないんだけどな。

 というかこの夢はどこまで続くのかな。別に困る内容じゃないけど、早く起きたい感じはする。

 ……この世界、どうも魔力があるらしいんだよね。ただ、空気中にあるのか、生物の中にあるのか、はたまた両方なのかわからない。

 私の能力はどう考えても異質だから、この夢が長引くのならもうちょっと変に見えないようにしたいところ。

『私は魔力を感じ取れる』

 なるほど。私の中に魔力はない。ただ、空気中には大量の魔力があるみたい。これ、利用出来るかな?

『ただ水を生み出すのではなく、魔力を利用し水球を生み出す』というイメージをしてみる。

 すると目の前に手のひらサイズの水球が現れた。魔力を感じ取れるようになったけれど、使う魔力が微々たるものなのか、それとも上手く行ってないのかは知らないけど、空気中の魔力は減ってないように思える。

『この水球は消失する』イメージをする。すると何もなかったかのように綺麗に水球は消えた。と同時に、物凄く微量だが、魔力の減少を感じた。もしかしたら、生み出すのより消失させるほうが魔力を使うのかな?


 そのあとは、火を生み出して消して、氷を生み出して消してと、魔法っぽいことをしてみた。どうも、消し方が下手な気がする。

ふと思いついて『氷の塊を魔力に戻す』イメージをしてみたら、魔力の減少は感じ取れなかった。

 消すとなると、魔力ごと消し去る。戻すは現象を魔力に戻すといった感じだろうか。

 このまま、転移と言われてたモノも魔力を利用する練習をしようと思ったところで警備の人から声がかかった。


「準備が整ったようだ。案内するから着いてきて欲しい」

 最初はすごい丁寧語で話されたが、気が重かったので軽く喋ってくれと頼んだらあっさり変えてくれたこの人は話すのが気楽で良い。


「わかった、ありがとうね」

「仕事だから気にしなくて大丈夫だ。とりあえず、失礼の無いようにな」

「ただの一般人だから、努力するけど無礼がないという約束は出来ないなあ……」

「まあ、老子様が伝えているだろう、さて行くぞ」


 あの人、老子って言われてるんだ。まあ偉い人な上に戦える人っぽいもんなあ。



 しばらく歩いて、なんか警備のいろんな人に見られつつ、大きな扉の前に立った。


「本来なら1人で入るんだがな、今回は例外だから着いて行く。どこで膝をつくかなどその場で説明するから、本当に無礼の無いように頼む」

「うん、善処する」


 可能な限りは。やりたくないことはやらない。


「なら着いてこい。……勇者候補をお連れしました、入ります」

「入りまーす」


 扉をくぐったその先には、あからさまに偉そうな人が座っていて、横にも偉そうな人が立っていて、その後ろは警備の人かな? 結構な人数が立っていた。


「よし、ここで膝を着いてくれ。俺は配置に戻る」

「え? イヤだけど。なんで知らない人相手に膝を着かないといけないのさ」


 その瞬間、王様っぽい人が青筋を立てたような気がした。

なお主人公はまだ夢の中だと思ってます。

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