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11話

主人公視点に戻ります。

投稿時間はまだ調節中です。

 久しぶりにいろいろイメージ出来て楽しかった。100体の傀儡をまとめて作れる老子さんが居ても魔族にすら対応できるのは相手が一体のときのみって言ってて、相手は相当強いんだなぁってしみじみ。

 

人型も作れるし、四足歩行の動物型の傀儡も作れるし、それを相手にする私もいろいろ試せて良い感じだった。相手の速度が違うときは、重力で叩き潰しちゃえば良いかなって思って私以外の相手の重力を増やしたら、一般兵も近衛兵も倒れちゃったので最終的にはそこで終了になった。老子さんは倒れてなかったので流石だなあ。


ついでに、見たことない人が紛れてたらしく、召喚のタイミングで来てたので、他国の密偵ではないかということで捕えられた。それがお手柄ということで、他の兵達を倒しちゃったのは不問にしてくれるらしい。老子さんは本当に優しいなあ。


 その相手のことを調べるのを忙しいらしく、今日は解散となり私は私専用の寝室へ案内されることになった。準備出来たらしい。

 そして、その部屋を今眺めているのだが……。


「ひっろい……」


 無駄に広かった。王城だし狭い部屋なんかないか。というか王城に部屋を準備してもらって良いものなのかね? まあ、本当に無駄に広いけど、一人でいられるならいろいろ試せるからそれで良いかな。


 晩食はとらないことにさせてもらったから、のんびりと一人で実験してみようかな。

 とりあえずは起きることが出来るかどうかを試してみる、が。相変わらず寝ているときの身体を認識することは出来ない。


「ニャロ?」


 声をかけてもやっぱり出てこない。こうなるともうやることは一つしかない。


『寝る』


 眠って新しい夢を見る。これに限る。夢の中で眠るとか出来るの?っていう人もいるかもしれないけど、寝て起きたと思ったらまだ夢だった、なんてことはよくあることだし、だから夢の中で更に睡眠をとるなんてことも普通に出来ることなのである。

 正直眠りたいわけではないのだけど、起きるためなら仕方ない。


「おやすみなさーい」





 初期からニャロの位置に行くための眠り方をしたので、今足元に私が『ニャロ』と呼ぶ生物? がいる。夢の管理人である。


「やあニャロ」

「どしたの、直接ここに飛んでくるなんて珍しいじゃん」

「ん。どうしてニャロに私を今夢に閉じ込めてるのか聞きたくて。機嫌を損ねることしたっけ?」

「??? ちょっと何を言ってるのか良くわからないけど。別に機嫌悪くないし、そもそも閉じ込めてないよ」


 首をかしげるニャロ。いや、この子に首はないが。そういう雰囲気。


「え? いや、さっきまで違う夢見ててさ、どうやっても目が覚めないから新たに眠ってここに飛んできたんだけど」

「目が覚めないとか言われても、ここにいるときのことはよくわかんないけど、どんな夢見てたのよ」

「なんか異世界に召喚される夢だけど……」

「あんたが前回見てた夢は、ゾンビになって身体が朽ち果てていくのを見て最期を迎えるやつだけど。それ、夢じゃないよ」


 夢じゃない? さっきまで居た場所が? 思いっきり夢の中と同じように動けたんだけど。


「ということは、私は本当に異世界に転移したってこと?」

「だから知らないよ、この空間のことしか知らない。外は知らない興味もない。話がそれだけなら素直に起きるかいつもの夢の世界の方へ行って」


 突き放される。まあいつも通りではあるけど。ここはニャロの空間であり管理空間としてとても大事らしい。私が初めて入れるようになったときはかなり大変なことになったものだ。今では自由に出入り出来てしまうが。


「じゃあ『自室に帰る』よ」

「それも止めて欲しいんだけど、あそこは貴方の自室じゃないし。まあ、なんかここに直接飛んでくるくらい面倒な事態になったみたいだし、特別にちょっとだけなら使っていいよ。出来ればすぐ出て行ってね」

「はいはい、了解了解、じゃあ、またね」

「来なくていいから、さよなら」


 とりあえず、私が勝手に自室と呼んでいるところに移動する。ニャロの言った通り本当に別に自室なわけではなく、ニャロの管理空間を私が少しだけ勝手に切り取って使えるようにした場所である。

 当たり前ながら私の空間じゃないどころか勝手に奪った場所なので、自室という言葉を使うと機嫌が悪くなるし、利用するのも機嫌が悪くなる。でも、先に一言断ってから使わないとより面倒な事態になるから仕方ないのだ。


 上下左右に何もない。ただただひたすらに白い空間。イメージ次第でなんでも作れるが、敢えて何も作らなかった、私一人がただいるだけの空間。考え事をするには最適解である。音もないからね。


 さて、あの異世界とやらはどうやら夢ではないらしい。でも、だからどうしたというのだろうか。

 別に元の世界に未練があるわけでもない。それよりも、現実世界なのにイメージ能力が使えるのは逆に便利なだけな気がする。


 老子さんは良い人だし、夢だと思って適当に約束してしまったけど、魔族や魔王のとこに行くとは言ってしまったしね。約束は可能な限り守りたい、じゃないといつか私に突き刺さることになるから。

 

夢と同じように自由に、それでも約束は守りつつ、のんびりゆっくりと生きていこう。


ここまででプロローグは終わりです。

お読み頂きありがとうございます。



ニャロ:球体に手足と目が付いているだけの謎生物。夢の中にしか居ないイマジナリーフレンドみたいな存在です。

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