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閑話:訪れるは最悪の報せ

 とある方とのやり取りを参考にして生まれた閑話ですが、次回の冒頭を決めた結果書く事の出来なかった出来事があったので、うまく組み合わせてみました。

 ちょっと短いですが、それでもよろしければって方はゆっくりしていってね。


 それは雲一つ無い空に日が上りきった頃に起きた。

 殺風景な廊下を彩る花が活けてある花瓶の水を変えるべく食堂の炊事場に向かっていたフューイは、扉で身を隠しながら仲良く中を覗き込んでいるロイドとノエルの姿を見つけた。


「ロイド、ノエル、こんなところで何をしてるんだ?」


 声がかかるとは思っていなかったのか、ロイドとノエルはびくりと体を震わせた。

 二人は同時に振り返ると、フューイに向かって口元に指を立ててみせた。だが、フューイはその意味を理解出来ていないのか首をひねる。


「かくれんぼか? だったらここじゃなくて他のところでしてなさい。兄ちゃんは今からお花の水を変えないといけないからそこ通して――」

「だったらトイレのところですればいいじゃんか!」


 潜めた声でロイドに怒られ、フューイは心底嫌そうな顔をロイドに向けていた。


「ここまで来たのに?」

「いいから!」


 ロイドがフューイの体を押すが、その非力な腕ではフューイの体はびくともしなかった。しかし、そんなフューイを押す細腕が更に二本追加される。


「ノエルまで……しょうがないなぁ……」


 ノエルとロイドに押され、フューイは渋々といった様子でトイレの外にある手洗い場の方へと向かっていくのだった。


 ◆ ◆ ◆


 ロイドとノエルのわがままでトイレの外にある手洗い場に来たフューイは、いつものように花瓶の水を変え終えた。


「さっ、これでいいんだろ?」


 うんと嬉しそうに頷くロイドとは対照的に、ノエルはなにか悩んでいる様子だった。


「どうかしたのか、ノエル?」

「フューイお兄ちゃん、一緒になるってどういう意味なの?」

「一緒になる? どういう意味ってそりゃあ、結婚して一緒になるってことなんじゃないの? まぁ状況によりけりかもしれないけどさ。ちなみに誰が言ってたの?」

「ママが言ってたよ?」


 パリンと甲高い音が辺りに響く。


「だ……誰に言ってたんだ!?」


 青ざめた表情で花瓶を落としてしまったフューイは、血相を変えてノエルの肩を掴んだ。

 だが、ノエルの痛そうな表情を見て、フューイはノエルにごめんと謝りながら彼女の肩から手を離した。

 そして、深呼吸をしてから、再びノエルに聞いた。


「それって誰に言ってたんだ?」

「ハルトお兄さんにだよ?」


 その言葉を聞いた瞬間、フューイは深いため息を吐き、散らばった破片を拾い始めた。

 驚きはしたものの、フューイにも心当たりはあった。

 母親であるシャルフィーラの話によれば、遥斗は捕まってしまった自分を助け出した挙げ句、その場にいた敵の大半をたった一人で倒してみせたという。

 元々強く逞しいという理由で冒険者である父親と結婚した母親が、そんなところを見てなびかないとは到底思えなかった。

 そのうち、どちらかがそういうことを言い出すことはフューイも想定していたが、まさかこんなに早く行動に移すとは思ってもいなかったのだ。

 実際、結婚することに関していうのであれば、それは母の自由であり、息子である自分はあまり口を出して良いものではない。

 結婚は当人同士の自由であり、気に入らないという理由で家族が反対する行為はこのファルベレッザ王国が法律で禁止としていた。

 これは亜人や冒険者、宗教の違いという観点で好きあっている二人を引き離す行為を禁ずる為であり、成人さえしていれば問題無しというのが、この国の法律だった。

 二人に結婚の意志があれば、息子であろうと自分ではどうすることも叶わない。


(……同世代の人が父親になるのかぁ〜)


 窓の外に広がる空を見て、フューイは深いため息を再びこぼした。


 ここまで読んでいただき、誠にありがとうございます。

 この小説の作者は基本的にやりたい事をやってみたい性格であるため、今回は出来たら次の日には投稿というアホみたいな事をしています。

 その為、書きだめは無く、次話のアイデアも殆ど無いという実質ノープラン状態。結果、不定期更新となります。

 こんな馬鹿な作者ですが、読者の皆様方には暖かい目で見守っていただけると幸いです。

 もし続きが気になるって方がいれば、応援メッセージに「続きまだですか?」とでも送ってください。 

※閑話ってアイデアを貰えた時はその手があったかって急いでプロットを組みましたねw

 こういうやり取りはしたいものの、次回の冒頭は絶対にああしたいという理由もあったし、中身もこれ以上の変更をするとまた訳わからなくなりそうだしで、切羽詰まった状態だったんですよ。

 そんな時に閑話のアイデアがもらえて本当にありがたかったですね。

 次回から2章に入りますが、2章もどうかよろしくお願いいたします。

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