表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

81/96

第81話 由依ーバグ



「それじゃあ、これから私たちの行動的には、敵の通信基地を襲撃するってことでいいの?」

「いや、場所がわからん。無理じゃな。しかも、本当に通信しているかも、ただの憶測にすぎんし、この侵攻がどのような思惑によるものかもわからん。八方ふさがりじゃ。樹のやつがため息をついていた理由もわかる。どう転んでも地獄じゃからな。」



 私の質問に対して、タエコちゃんは首を振る。

 たしかに、これまでの話は全部想像でしかない。


 そして、どうあがいても人は死ぬし、獣人も死ぬ。

 救いがない。ハッピーエンドには出来ない。絶対に悔恨が残る。


 私だってやりたくない。どこの世界でもそうだ。

 なんだったら、私たち勇者だって死ぬ。死はすぐ隣にあるのだ。



「佐之助。浩幸と太郎はどこにおるのか、わかるか?」


 タエコちゃんは佐之助に、聞きにくかったことを聞いた。


 現在、勇者たちはバラバラに行動している。


 お城に駐屯している勇者もいれば、研究や制作にまい進する勇者。

 精力的に魔物の掃討や魔人の討伐にいそしむ勇者。


 私たちみたいな一時の休暇を過ごす勇者など。まあ様々。


 そんななか、大陸と大陸をつなぐ大橋で魔物や魔人の侵攻を食い止める、もしくは検問する立場にいる勇者こそ、ヒップホッパーのタロウと根暗のヒロユキなのだ。


 二人がどこに行っているのかはタエコちゃんから聞いて初めて知ったけど、勇者が撃破されたと聞かされては、安否は心配だ。


 安否を知るには、手っ取り早く、クラスメイト達をマーキングしていた佐之助に聞くのが一番。

 佐之助に行動をいちいち監視されていると考えるとゾっとする話だけど、安否の判断を出来ることを考えると、やめろとも言い難い。


 実際はすごく嫌だけど。能力自体はかなり強いんだよなぁ。あ、ちなみにクラスメイトみんなのことをマーキングしているって知ってるのはタエコちゃんと私とタツルだけだよ。


 タエコちゃんが佐之助の異能を解析したうえで私らにこっそり教えてくれたの。佐之助自身は能力を丸裸にされているとは知らない。

 佐之助はタツルにだけは話しているらしい。

 が、タツルはそいつの能力をペラペラしゃべる人間ではないので、タエコちゃんと相談の上、そこで情報は食い止めている。

 タエコちゃんに情報を渡しているのは、それだけタエコちゃんに対する信頼が厚いからだろう。


 なんかちょっと悔しい。


「いや、俺っちにはわからんっぜぃ」


 佐之助はタエコちゃんの質問に対して、首を横に振った。

 佐之助が特定の人物を探知でマーキングできるということを知っている人物は非常に少ない。

 今回の遠征メンバーが初めて佐之助の能力に俊平ちゃんにつけていたマーキング機能があることを知ったくらいだ。


「わからない、とはどういう事じゃ? お主は俊平が迷宮に生き残っていることはずっと把握できていた。他の勇者も同じようにわからんのか?」

「いや、それはわかるんだが………太郎っちと浩幸っちのマーカーがバグっているっぜぃ」

「バグってる? どういうこと?」


 詳しく佐之助の話を聞いてみる。


「俺っちの能力、探知は探る事が出来る能力だっぜぃ。簡単に言えば何がどこにあるか。ここまではわかるよな?」

「おん。そらアホでもわかるわ。」


 うなずくショーゴ。それから、佐之助の話をまとめると


 何がどこにあるのか以外でも、物にマーキングを付ける事が出来る。

 例えば、木の枝にマーカーを付けて、木の枝を二つに割ってみると、マーカーは外れる。


 虫にマーカーを付けて叩き潰して殺したら、マーカーは外れる。



 この実験結果から物が壊れるとマーカーが外れる。

 生物が死ぬとマーカーが外れる。


 人形にマーカーを付けて、破いたらマーカーが外れたが、縫い直すと復活した。

 マーキングを継続しようとさえしていれば、それが治れば復活すると。

 なるほど、俊平ちゃんは自爆でバラバラになっても、死なずに生きているからマーカーは生きたままってことだよね。一時的にマーカーが外れても復活するんだろう。


 そのことから、死んでいるならマーカーは外れるからわかる。とのこと。


 

「バグっているって、どんな風に?」


 と、テツタが首をひねると


「マーカーはない。だが、確かにどこかにいるような………そんなあやふやな感覚。言葉では言い表せないっぜぃ」

「ふぅむ………。どういう状況かはワシらにはわからんが、マーカーが外れてるのなら死んでいる………。だが、どこにいるかあやふやだが、確かに気配を感じている状態………なんともはっきりしない感覚じゃな。まぁ、生存に賭けよう。議論しても無駄じゃ。」



 なんてタエコちゃんが柏手を打って、タロウとヒロユキの生存をひとまず保留にすると

 話を終わらせたはずなのに、佐之助はまたも何とも言えない表情で顔を上げた。


「あ、いや………。今、はっきりと分かった………というか二人ともいきなり現れた………? 場所はおそらく大橋のある町で間違いないと思う。」


 安定しない佐之助の探知だが、急に現れたとなると………


「別の次元にいたんじゃない? 浩幸の能力って、影繰りでしょ? 影の中に潜んでいたとか。影の中を移動しているとか。」


 なんてテツタの言葉に


「「 それだ! 」」


 私と佐之助の言葉が被った。



 

 

あとがき


次回予告

【 ゴミ掃除 】


お楽しみに



読んでみて続きが気になる、気にならないけどとりあえず最後まで読める程度には面白かった


と思ってくださる方は

ブクマと

☆☆☆☆☆ → ★★★★☆(謙虚かよ)をお願いします。(できれば星5ほしいよ)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング←ここをクリックすると作者が嬉しくなるよ
ツギクルバナー
cont_access.php?citi_cont_id=843467514&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ