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第59話 俊平ー両性具有



 天使という生き物について解説をしよう。


 天使、というのは、まさしく天の使いである。


 天、とは神様のこと。もしくは、この世界でいう空中大陸のこと。


 で、天使なんだけど、みなさんは天使と言ったらどのようなものを想像するだろうか。


 かわいらしい、頭になんか輪っかがある。ガブリエルとかよくエロ本で凌辱されている。


 などなどなんかいろいろとあるだろう。


 しかし、特筆すべきはそこではない。

 そこではないのだ。


 天使という生き物、それは、両性具有。性別が存在しない、というよりは『どっちもある』ということ。


 さらに言えば、日本の最高神たる女神の天照大御神(アマテラス)も両性具有という記述までのこっているとかなんとか。


「間違いございません………………こちらの天使と、シュンペイ様は、両性具有………ヒトを超越した存在です………!」


 

 俊平とあおいがぐちゃぐちゃにまざりあって再生した結果………………。


 俊平は男と女、どちらの性別も当てはまる両性具有 俗にいうふたなりになってしまっていたのだ!!



 俊平自身、わざわざそんなところを一切の確認もしていないので、俊平もあおいも、この事実を知らない。

 あおいと俊平の視界はリンクしている。

 そんな俊平がわざわざ好き好んで自分の小さいなにを調べたりするだろうか。

 よほどの変態じゃないとしないだろう。

 俊平は精通もまだなお子様なのだ。普通に恥ずかしい。


 お風呂から上がったジャニスは、俊平とリリをかかりつけの医者の元へ連れて行った。

 俊平は酔っているのか、疲れているのか、ぐっすりと眠っている。


 着ている服は、着せ方のわからない白無垢ではなく、ジャニスの妹、カリンのお下がり。フリフリのナイトドレスであるが。


 俊平が意識を失っている間に、俊平の身体、一緒に天使であるリリの身体を調べさせてもらったのだ。


 仮にも神様と思っている相手に対してなんとも不敬な行いであるが、探究心もさることながら、自分たちを助けてくれた俊平が、万が一にも体調を崩されないように………! などと建前をしっかりと準備して行っている。


 いろいろな偶然と奇跡とミラクルやマジカルでワンダーなあれやこれがなんかいろいろぐちゃぐちゃと混ぜ合わさった結果


「やはり、これまでの経緯から間違いないとは思っていましたが………………! やはりシュンペイ様は神様なのですね!!!!」



 俊平=神 という図式が、樹や由依がいたら大爆笑して起き上がれないレベルのとんでも勘違いが、………もはや撤回など不可能な物的証拠とともに、強固に、それはもう頑固に、擦っても落ちないシミのように。根付いて浸透して、確定してしまったのである。



 俊平が聞いたら、恥ずかしくて顔から火が出るだろう。寝ている間に裸に剥かれてあれやこれやを確認されてしまっているのだから。


 俊平は自分の周囲を取り巻く現状をみて、こう言うだろう。




          ☆




「どうしてこうなった?」


『わたしも気を失っている間に何があったかはわからない。』



 俊平とあおいは、ベッドで目が覚めた。


 目を覚ました俊平は、自分の格好を見て頭を抱えた。


「なんで女性もののナイトドレスを着ているのかな」

『………似合っているぞ』

「嬉しくないし………。」


 俊平はかわいいと言われ慣れている。

 不本意ながら、俊平は小さい自分がある程度可愛い自覚があった。


 だからといって、女装をしたいとも思っていない。

 白無垢を脱がされたのであれば、恥ずかしながら自分の着替えをしてくれた侍女さんあたりは俊平の性別のことを知っているはずである。


 だというのに、このふりふりでひらひらの寝巻きはなんだ。

 僕は男の子なのに! 



 俊平はさめざめと泣いた。

 女装させられるのは、今に始まったことじゃない。切り替えて行こう。


 僕は小学生の頃、クラスの出し物の演劇で、村娘Cを演じたことがあるのだ。この程度のことでへこたれない。

 なんだったら樹くんも村娘Bの経験がある。僕は一人じゃない………!

 パン! と頬を叩いてベッドから降りる。


「よし、落ち着いた」

『その格好で落ち着けるのはさすがだね』


 俊平を女装役に導いたのは樹で、樹は面白そうだったりウケが狙えるならば積極的になんでもやる人なので考えたって仕方がないのだ。


「あれ、これって………………。」


『む、どうやら翻訳の指輪のようだな』


 俊平がベッドから降りると、台の上に、赤い宝石の埋まった指輪が置いてあった。


「これ、あの魔人がつけてた奴だよね。」

『あの爆発で無事だったのか………。奇跡だな。わたしは消滅したものだとばかり思っていたよ』



「あおいさん………。」


『なんだい?』


「あの時、僕が惨めに泣き喚いていた時、僕の代わりに魔人を倒してくれたよね」


『ああ』


「ありがとう。」


『っふ、いいよ。そのくらい。わたしには朝飯前さ。相棒の危機に立ち上がれないで相棒は名乗れない。』



 俊平はあおいのことを信頼している。

 あおいがいなければ、俊平は自爆の能力一発で死ぬ。


 あおいは再生の能力があったとしても、火力がない。死なないと言っても攻撃力はない。

 無力のあおいは蜘蛛糸から抜け出せないでいた。

 だからこそ、無条件で俊平の味方だった。


 あおいと俊平は二人で一つの共依存。

 どちらが欠けてもダメなのである。

 


「何度でも言うよ。それでも、ありがとう」


『ばっか、気にするなよ』


 これはいい雰囲気だ。




あとがき


毎日投稿2ヶ月。

 褒めて。


次回予告

【 お祭り大好きマンです 】


お楽しみに



読んでみて続きが気になる、気にならないけどとりあえず最後まで読める程度には面白かった


と思ってくださる方は

ブクマと

☆☆☆☆☆ → ★★★★☆(謙虚かよ)をお願いします。(できれば星5ほしいよ)



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