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第46話 樹ー勘違い系は、はたから見るのが一番楽しい


 テレビの画面には、ベッドの上で寝息を立てる俊平が映る。


「あぁああ! 俊平寝ちまった! 気になるぅうううう!!!」


 頭をかきむしる!!

 俊平がベッドにダイブして3秒で動かなくなってしまった。

 半年分の疲労が溜まっているんだ。もはや1週間くらいベッドから動かなくても俺は文句言わないよ!


「ほんとそれ! 気になるよ! 俊平ちゃん、絶対大事なイベントに巻き込まれているって!」


 響子も俺の背中をバシバシとたたきながら続きが気になっていたが、俊平の物語はここで一旦


 ←To be continued...


 次回へ続く、だ。

 しかも、響子とヱリカさんはどうあがいてもこの続きを見る事が出来ない!!!

 次に俺がここに来るのが何か月後かもわからないからだ。


「俊平側が言語を理解できていないから、盛大な勘違い物語があっちの世界で行われているんだ。いかにも神聖な服を着た俊平がなんか奇跡的なことやらかしてなんかすげー勘違いされるやつ!」


「なんてこってす! わたし、勘違い系のなろう物語大好物だってんですよ!」


「わかるマ――――ン!!」


 ガシッとヱリカさんと手を組む俺。

 俺自身、チートみたいな性能になってきているせいで、勘違い系とは縁が遠くなってしまったから、勘違い系なろうは俺の大好物の一つなのだ。


 悪役令嬢が主人公でも、女の子が主人公でも、おっさんが主人公でも、周りが勝手に勘違いして盛り上がるやつは鈴木樹の大好物の一つなんだよぉ!


 俺にはできないそのなろうテンプレを、俊平は天然で叶えることができるのだ!


 うらやましい! 本人にはその自覚がないところがとくにグッド!


 こういう勘違いのやつは、はたから見るのが一番おいしいんだよ!


「エデン湖、コーデの町って言ってたな………」

「あたしは翻訳できないけど」

「わたしもあのオレンジ色のお嬢さんが何を言っていたのか全然わからんってんですよ」

「俺だけか………翻訳の指輪を持ってるの………。ってか、日常会話なら指輪なくても出来る程度にはわかるようにはなったぞ。ゆっくり話してもらう必要はあるが………」

「なんだかんだ樹ってスペック高いな………」

「俺の能力は異世界を渡る能力(チカラ)だぞ。言語の習得に最も時間が掛かるんだよ。ある程度は慣れだ」



 俺はエデン胡、コーデの町を調べてそこに誰かを向かわせればいいってことだな! そういうことだな!


「よーし、俺の行動方針が決まった。適度に俊平をおちょくりつつ、俊平の物語に華を添えてやろう」

「いえーい! やったれやったれ!」

「そうと決まったら、田中のためにパジャマを買いに行って、妙子のお酒を補充して………」

「黒霧島あるってんですよ。もってってください」

「わお、準備が良い!」

「たぶん、樹か由依は明日も来るだろうから、またお酒用意しときますよ」

「ありがとうございます。たぶん、あっちの世界に持ち込めるのは俺だけだと思いますが」

「準備だけです。あ、お金はこっち持ちでいいってんですよ。あとでおばーちゃんに請求するってんです」



 団三郎さんとヱリカさんの協力を経て、パジャマを購入。及びその他いろいろお菓子とか買ってもらった。わーい。

 用意するものの大半が妙子のお酒なんですがこれ。


 おっも………。


 でも日本における資金面の心配の一切がなくなってしまった。


 うーん………。魔王転生の時に手に入れていた暗黒収納してやるか。

 ごめんな消吾。俺もうアイテムボックス持ってるんだ。


「樹さん、これ、いりやすかい?」


 団三郎さんがチャカッとチャカを見せてくれる。


「いやいや! いらないですよ! 向こうじゃ魔法のほうが主流ですから!」


 さすがに俺も銃器所持はしたくないっての!

 いろいろ危なっかしいマジックアイテムを持っててなんだけど、こっちの世界の兵器は持ち込みたくないよ!


「そうですかい………では妙子さんに渡してやってくだせえ。弾薬もそろえておきやす」

「あわばばばば」

「妙子さん以外に渡したら………わかってますね?」

「モモモモ、モチツモです。」

「そこはロンしときましょうや。『S&W M&P9 シールド』密輸品の押収品ですわ。こっちも処分に困っとったんで、そっちの世界で使い切って粉々にでもしといてくだせい」

「あ、ゴミの押し付けだったんですね。気楽に行きます。」

「小さい銃なんで、妙子さんにも使いやすいはずでさ」

「絶対に渡します。」


 団三郎さんからもお土産をもらったことだし、俊平の動向も掴んだ。

 妙子への酒も準備できたしパジャマも用意完了。


「じゃあな響子。由依と俊平の面倒、よろしく」

「はいはい。今日は楽しませてもらったよ。またこっちに来たら向こうの世界で何があったのか、ちゃんと教えてよね」

「わかってるよ。」


 響子はどうしても向こうの世界の情報が不足してしまうからな。

 俺があっちでの最新の情報をお届けして差し上げないと、先にリタイアしてしまった響子には不安しか残らないからな。


 響子は死者蘇生イベントは望まなかったし、今回の俊平の動向はいち早くゲットしたことを詫びとして持っておいてほしい。


 まあ、明日になったらもっとも古い情報になるかもしれないが………。



「じゃあ樹、また来てください。土産話、待ってるってんですよ」

「はい、行ってきます」


 物資を補給したし、荷物を背負って俺は世界を跳躍する!







 


 




あとがき



次回予告

【 おかえりタツル 】


お楽しみに



読んでみて続きが気になる、気にならないけどとりあえず最後まで読める程度には面白かった


と思ってくださる方は

ブクマと

☆☆☆☆☆ → ★★★★☆(謙虚かよ)をお願いします。(できれば星5ほしいよ)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 勘違いなろう系、私としては苦手なんですが第三者がいてその第三者が中心にいてくれると読みやすいですね…。樹くんがいてくれるおかげで読めそう
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