荷物確認
少し長めです
学校に戻ってきた俺たちは机の上に持ち物を出した。
「んじゃあ、俺が順番に見ていくからな」
先生はそう言いながらそれぞれの荷物を見るために教室内を回りだした。
「まずミラトにリリーシャ、そしてシオルは問題なしだ」
現役冒険者組は特に何も言われなかった。もちろん言われたらそれはそれで問題なのだが。
「特にミラト、リリーシャは完璧だ。 必要なものが過剰にならず必要最低数あり、さらに物資回収のための袋などの対策もできている」
「ありがとうございます」
「次見ていくぞ~」
「先生、俺たちも見て回ってもいいですか?」
「そうだな。 教師的意見と現役的意見が食い違う可能性もあるからな、頼んでいいか?」
「ぜひ」
「が、頑張ります」
「じゃあミラトはシンラとガネス、リリーシャはレオノーラにシュミラとシュミナ、シオルはアリーシアとレオを見てくれ」
「はい」
「お任せください」
「わ、分かりました」
そして俺たちは散らばり、それぞれの荷物を見ることにした。
「まずだけど、シンラ」
「何か問題が?」
「特に問題といった問題はないんだけれど、欲を言えば魔力回復ポーションとかあるといいかもね」
「なるほど」
「ガネスもそうだね」
「なるほど」
「そうだね、あとは簡易砥石とかあると、長期間、もしくは連戦しても武器がダメになりにくいよ」
「別の武器を持って行ってはだめなのか?」
「余裕があったりすればいいけどソロだとそれは厳しいし、予備の装備だといつもと感覚が狂ったりする恐れがあるからね。 それなら簡易的とはいえ、武器を研いだ方がいいんだよ。 荷物も抑えられるしね」
「確かに合理的だな」
「ミラさんは少し、非常食の量が多いですね」
「こんなに持ってたら、ダメ?」
少ししんなりとした声色でリリーにミラが問いかけていた。
「そ、そうですね……通常の二倍ぐらいはあるので、流石に過剰かと……」
「そう……分かった」
「そ、それとミナさんは少々お金が多いかなと……」
「現地で物資買うかも」
「さ、流石に白金貨三枚は過剰ですね……」
うん、過剰だね。さすがに一枚あれば十分かな。
「で、でも場所、そんなにとってない」
「ですがそこに採取用の袋とかが入ったりするんですよね……」
「うっ……」
ミラとミナはリリーに正論を言われてシュンとしてしまった。
「わたくしは問題ないですよね?」
「そうですね。 しいて言えば、ポーションはもう少しあってもいいかもですね」
「分かりましたわ」
「あと、三人は余裕があるなら投げナイフを持ってもいいな」
「どうしてですの?」
「先生教えて」
「教えて先生」
「三人とも武器は近接だ。 魔法があるとはいえ、まだ無詠唱が難しいとなるととっさに中遠距離に対応が難しい。 そこで投げる用のナイフなどがあれば、ある程度はマシになるだろう。 さらには採取などにも使えるしな」
「なるほど」
「シオル君、俺のはどうすか?!」
「え、えっと、このハンマーは?」
「鉱石採取用っす!」
「えっと、五つもいる?」
「予備っす!」
「い、要らないと思うんだけど……」
「え?!」
流石に要らないかな……
「私はどう?」
「ア、アリーシアさんはポーションが少し多いけど許容範囲内だよ」
「ならよかった」
「あ、あと例えばナイフなどがあればいいかも」
「ナイフ?」
「ナ、ナイフがあれば薬草採取もできるし、三人とは逆に間合いに入られらた時の対処もできるから」
「なるほど、それは確かにありね」
そんなこんなで十数分荷物について話し合った。