奢り飯
あの後、ありがたい(?)お言葉をいただいた後、その場で解散という事になった。もちろん俺たちは約束通り、食事を行うことになった。
「んで、俺が奢るはいいけど、どこ行くんだよ」
「それは決めて無かったですね」
「おいおい……」
「俺酒場がいいっす!」
「却下だ」
「え~なんでっすか?!」
「酒臭いからに決まってるだろ」
「確かに衣服にお酒の匂いが付くのは避けたいですわね」
「私も避けたいですね」
「ど、どんまい……」
「ちぇっ……」
皆から否定の意見をくらい、レオはしょんぼりとしていた。
「じゃ、じゃあどうするんすか?」
「確かに……」
「じゃあ……」
俺が提案すると、皆納得し、そこに移動した。
「すみません、ステアさん急にお邪魔しちゃって」
「いいわよ別に気にしないで」
今俺たちは、ギルドの三階にお邪魔している。ここは一階のギルドに併設されている酒場に注文ができる。しかも俺の特権で本来階級S以上で市価注文できないものも今回限りで頼むことができる。もちろんお値段はその分は高くなるけど、今回はアレックス先生のおごりだから気にしない。
「お、ミラトにリリーシャちゃんこんちわ」
「お二人ともこんにちわ」
「おーっす!」
「お、メネリアスにユファさんにガナス。 もしかして依頼終わり?」
「おう、そうなんだよ……そんでこの人たちは?」
「あぁ、俺とリリーと同じ王立魔導学院のSクラスの皆と担任の方だよ」
「そうなのか。 初めまして俺たちは【先行者】としてやらせてもらっているものです」
「ご丁寧にありがとうございます。 私は王立魔導学園にてSクラスの担任をさせていただいております、アレックスと申します」
「「「「「「「「「「え? 誰?!」」」」」」」」」」
え、いつもの怠そうなアレックス先生はどこに? え、こんなしっかりとした挨拶ができたの?! どうやら驚いたのは俺だけではないようで、皆目を見開いていた。
「よろしければ相席しても?」
「えぇ、是非」
「では失礼して」
「その前に依頼達成報告してくるね」
「お、あぁすまない」
「ガハハ、とりあえず肉を食うか!」
「ガナスは相変わらずですね……」
ユファさんが相変わらず苦労しているなぁ、今度何か疲労回復アイテムを渡してあげようかなぁ。
そして数時間ほど、思い思いの物を食べたり、のんだり、話をしたりして過ごした。
ちなみに先生の財布はそよ風で浮くくらい軽くなっていた。