即死
今日発覚したことですが、私の師匠の作品の漫画が勝手にYouTubeに挙げられていたとのことです。閲覧しないようお願いします。
ほどなくして、そいつは姿を現した。
「グウゥゥゥゥゥゥゥゥゥァァァァァァアア!!」
「おぉ、怒ってる怒ってる」
血眼になりながら、自らの羽を切り落とした標的を探している。そしてそんな状態の飛竜に追い立てられたように、こちらに向かってくる子龍が一匹いた。大きさは飛竜の百分の一程だろうか。片手の手のひらに乗るサイズの、黒い子龍だ。
「悪いけど、倒させてもらうね」
俺は手に持っていた機光鎌・集光で刃を作るとあるスキルを使った。
「【魂刈り取り】」
紫色の光を纏い、そのまま飛竜の首を斬った。
「よし、終わりました」
「いや、首が斬れてないっすよ?!」
「大丈夫」
そういい終わると飛竜がぐらりとよろけ、そのまま地に倒れこんだ。その衝撃で、地が揺れ、砂煙が舞った。
「何が起きたんですの?!」
「先生、分かりましたか?」
「いやぁ、さっぱりわからなかったぞ」
「ミラトは何したの?」
皆何が起きたか分からないようだ。そしてしびれを切らしたのか、アリーシアが聞いてきた。質問したのはアリーシアだが、皆興味津々なので、同じ疑問を抱いたのだろう。
「あれは鎌系のスキルで、希少な即死系の内の一つ、【魂刈り取り】と言って、対象の首を斬ると、首ではなく魂と肉体のつながりを切り取り、殺す技だよ」
「即死系って……それじゃあ最強じゃないっすか!」
「いや、そうでもないんだよ」
「え?」
「例えば、まず分かるように死霊系とかには効果はないし、わずかにでも抵抗されたら効果は出ないし、衝撃を少しでも受けても効果は発動しないからね」
「そうか……」
「それに、首を斬らないとだめだから、対人には向かないんだよね。 ほら、首だけって結構難しいし、それに首が狙われるってわかれば対策も容易だしね」
「それもそうか」
「で、でもそれでも魔物討伐とかにはとても便利だね」
「まぁ、職業が戦士の進化の鎌使い、さらにその先の死神という伝承職業になる必要があるから難しいけどね」
そう、とにかく即死系のスキルや魔法などは習得が難しい。逆にそれを使えるメシアさんは何者なんだとは思うけど、それはもう今更なので気にしない。
「ところでミラト、その子龍はどうするのだ?」
「え?」
ガネスに指さされ、その方向を見ると、俺の少し上で、俺を見ながら浮いてる子龍がいた。
「あー、もしかしてだけど、懐かれた?」
「「「「「「「「「うん」」」」」」」」」
「はい、恐らく」
「キュイ~」
満場一致で肯定された。
ハーヴェストは食物や動物を狩るときに使われるようですが、語呂がいいので本作ではこちらを使っていきます。ご理解よろしくお願いします