討伐訓練
「でも、お前たちは実践もすでに終えてるし、楽勝だろ?」
「まぁ、確かにそうですが……」
「じゃあいいじゃないか」
「いえ、そうはいきませんよ?」
「え、なんでだ?」
「だってほら、どんな歴戦の猛者も一瞬の油断で死ぬこともあるんだよ? だからしっかり準備はしないと」
「そうミラトは言ってますが、先生はどう思いますか?」
「うっ……」
シンラから無言の圧を受け、数秒ほど唸っていたが、その後観念したように大きくため息を一つつくと、口を開いた。
「あー、分かった! お前ら今回はすまん。 今後しっかりと情報を伝えるようにしようと思う」
「気を付けてください」
「それと……」
「それと?」
「この後、飯に行くぞ。 もちろん俺の全額奢りだ!」
「やったっすー!」
「ほ、本当に大丈夫ですか?」
「な、なんとかな……ははは……」
あ、先生少し……いや、かなり涙目だ。まぁ、ご愁傷様という事で。
「あ、先生ポイントについたようですわよ?」
「お、そうか」
いつの間にか目的地の森の奥についていたようで、一旦立ち止まった。
「よし、これから索敵をしつつ、魔物を見つけ次第討伐を開始する。 くれぐれも油断などはしないように」
「「「「「「「「「「はい」」」」」」」」」」
「うっし、じゃあ行くか」
そう一言アレックス先生は言うと、率先して歩き出した。
「お、この先にいるぞ」
ふと先生がそんなことを言った。もちろん俺とリリーは気づいている。
「えぇ、いますね」
「これは……小鬼ですね。 数は八体かな?」
「なんでわかるんですの?」
「索敵魔法のおかげだよ」
「あとは気配ですね」
「分からん……気配なんて全く感じないぞ?」
「現役のことは気にすんな。 んで、お前らどうする?」
「俺は今回遠慮しておきます」
「私も今回は辞退させてもらいます」
「おし、ミラトとリリーシャは今回無しだな。 んじゃあ残りは全員参加だいいな?」
「「「「「「「「はい!」」」」」」」」
そしてみんな飛び出していった。そしてその結果は……
「いやぁ、瞬殺だったねぇ」
「でしたね」
「いや……あいつらあんなに強かったか?」
言葉のごとく瞬殺だったのだ。全員が武器を一振りしただけでゴブリンたちは倒されたのだ。
「まぁ、今のであいつらの武器の癖なんか分かったし、教えてくるかー」
アレックス先生はそういうと、シンラたちのいるところに向かった。今の一瞬で癖を理解するとは、流石としか言えない。
「あと数時間探索し、終わりにするからな」
そういって、さらに先生は探索を開始し、俺たちもそのあとを追った。
「よし、そろそろ終わりにするぞ」
アレックス先生がそう言った。あの後、なんやかんやあったが無事に終われた。俺もやっと終わったと気を抜こうとすると、俺の索敵魔法に反応があった。
なかなか更新しなくてすみません!