荒野の階層
放課後、俺とリリーとシンラは鏡の部屋に来ていた。
「おわ! ここは一体……?」
「あれ? シンラって鏡の部屋に来たことなかったけ?」
「ありませんよ! なんなんですかここは?!」
「何って言われても……鏡の部屋としか……」
「なんなんですか、家畜がいたり、太陽があったり、水があったりと不思議すぎる空間じゃないですか……」
「それについては同意するよ……」
「なんてもの作ってるんですか……ミラトさんは……」
「これ作ったの俺じゃないよ」
「そうですよね……ミラトさんが…………作ってないのですか?!」
「う、うん。 そうだけど……」
「じゃあいったい誰が?!」
「それ話し出すと長くなるし……リリー、お茶いれてくれる?」
「はい」
「じゃ、お茶でも飲みながら話そうか」
俺達は家の中に入り、この摩訶不思議の空間を作り出したメシアさんについて話しだした。ついでだが、この時に出したお茶は長年の憧れだったケイデェン産の紅茶だ。一言でいえばすごい旨かった。
「ちょっと待ってください……ミラトさんの先代の鏡魔術師がネイシスの建国者で、この摩訶不思議なところを作った人……ってことであってます?」
「うん」
「はぁ……頭が痛くなりそうです……」
「回復しようか?」
「いえ……大丈夫です」
「そう?」
「はい。 ところでここに私を呼んだ理由とは?」
「ここでなら気兼ねなくできるでしょ?」
「何をですか?」
「天候魔法の特訓」
「なるほど……しかしよいのですか?」
「何が?」
「ここでやってしまうと少なからずこの辺りにも被害が出てしまいますが……」
「その辺は大丈夫だよ」
「どのような対策を?」
「別の階層に行けばいいんだよ」
「え?」
「リリーも準備してね」
「承知しました」
「え?」
「よし、行こう」
「え?」
終始シンラは理解してないようだったが、構わず移動した。いちいち説明するより見てもらった方が早いしね。
「よいしょっと」
「ここは?」
「鏡の部屋の二階層」
「二階層?!」
実はキョウマの村の山を越えたところにある平原で魔法を撃った後、どこか魔法を撃っても誰にもどこにも被害が出ないところをメシアさんの記憶を使いながら探していたところ、ここが出てきた。辺り一面が荒野なのでどんな魔法を撃っても基本的に問題はない。ここを見つけてはリリーと一緒に活用している。
「いいでしょここ」
「呆れて声も出ませんよ……」
「出てんじゃん」
「そういう意味じゃありませんから!」
「まぁまぁ……とりあえず特訓、始めようか」
最近更新率低めですが、許してください!もう少し上げれるように努力します!