武術稽古
遅れてすみませんでした!
アレックス先生が教室から出た後に、俺たちはみんなと一緒に武術稽古室に向かった。
「にしても……」
「どうしたんすか?」
なんで先生はあんなタジタジだったんだろう?」
「え、ミラト君理解してなかったんすか?!」
「考えたんけど、理由はさっぱりわからなかったよ」
「さすがはミラトだな」
「そうっすね」
「そうですね」
「そうですわね」
「そうね」
「そ、そうだね」
「さすがだね、ミナ」
「そうだね、ミラ」
「さすがミラト様です」
「あれ、俺もしかして煽られてる?」
「さぁな……ついたぞ」
「なんか納得できないけど……まぁいいや」
俺はなんか納得しきれないまま、皆と一緒に武術稽古室に入った。
「お~、やっと来たか」
魔導練習場に引けを取らない広さの部屋、人型や、低級の魔物を模した的などがある。そんな部屋の真ん中にアレックス先生がいた。
「よし、まずはそこの壁にある武器の中から自分が得意な武器を選べ」
先生が指をさした先には片手剣をはじめ、レイピアや短剣、ナイフに斧に槍といった一般的な武器から、シャムシールや双頭槍、刀や大鎌、モーニングスターなどもあった。
「い、いろいろあるんだね……」
「そうか、ミラトは入試を受けて無いから分からないのか」
「何が?」
「俺たちは入試の時に自分の得意武器を書かされたっすよ」
「それを学院側はすべて見て、ないものは注文して足しているんだ」
「へぇ~そんなことしてるんだ」
「あぁ、自分が一番使い慣れた武器じゃないと意味がないからな」
「確かに」
「ミラト、殿下。 早く武器を取って移動しましょう」
「そうだな」
「ありがとガネス」
俺は刀を、シンラは片手剣を取るとみんなの元に、向かった。
「よし、まずはお前ら全員の今の実力を見るぞ。 魔法は全部禁止、身体能力だけで俺と一騎打ちだ」
「誰からやるんですか?」
「誰かやりたいやつはいるか?」
「あ、じゃあ俺行きます」
「お、ミラトか」
「よろしくお願いします」
「よし、じゃあほかは巻き込まれないように下がっていろ」
「わかりました」
「下がったな? よし、ミラトいつでもいいぞ」
「はい」
アレックス先生は右手に片手剣を持ち、半身構えしている。さすが先生というか、構えにスキがない。
「まぁ……スキがないなら作ればいいだけだけどね!」
俺は一瞬で間合いを詰めると、刀を上から振り下ろした。アレックス先生は剣で受け流してきた。そして先生はカウンターと言わんばかりの横なぎを放ってきた。だがそれは読めていたので下からの斬り上げではじいた。
「む!」
そのまま俺は足を払い、アレックス先生を転ばせ、首元に刀を突き付けた。
「勝負ありですね」
「あぁ、俺も負けだ」
俺は先生の向かって礼をすると、皆の元に戻った。
戦いの描写って難しいですね