ひと悶着と復讐の始まり
やっとざまぁ展開がきました。
「じゃあ俺らは査定士のところに行くから、またな!」
「あぁ、またな」
街についた俺たちはそんなことを言いながら炎狼の牙のメンツと別れると俺は役所に向かっていった。
職業が変わったのでそれを伝える必要があるからだ。役所は町の中心付近にある。
町の中心まで歩いていくが誰も俺に気づかない。それもそのはず。今の俺の服装は紫色のローブにある魔物から作られたブーツ、ローブの中には貴族の着るような服。もちろん華やかさはあるが下品になるようなきらきらとした感じはない。
「あのひとのセンスが良くて助かった、ほんとに……」
俺はそこまで服に詳しくないのでほんとに助かっている。
そんなことを考えながら進むこと約数分、俺は目的の役所の前にいた。
「ようこそおいでなさいました。トルコの街役所へ。本日はどのようなご用件ですか?」
と、受付をしていた受付嬢がマニュアル通りに聞いてきた。
「……職業が変わったので申請に来た」
と、当たり障りのない回答をした。
「ではこちらをご記入して下さい。代筆はご利用なされますか?」
「いえ、自分で書けるので大丈夫です」
「そうでしたか。失礼しました」
俺は渡された用紙に
名前:ミラト=スぺクルム
職業変更前:鏡魔法使い
職業変更後:鏡魔術師
と、記入した。それを提出すると
「ミラトさんは先日ネロさんによって死亡届が提出されています」
とのことだ。死んだと思っているらしい。実際死んだと俺も思ったから無理もないが。
「残念ながら俺はミラトだ」
「ミラトさんは……」
「俺はミラト本人だ」
「あのですね、ミラトさんは」
「だから俺はミラトだと言っている」
「だから!」
「俺はミラト本人だ。鑑定してくれてもかまわない」
「はぁ~わかりました。鑑定員を連れてきますので動かないでください」
といって奥に向かった。そして数分後に一人の男性を連れてきた。
「では、鑑定を開始します」
と言いながら鑑定員の男の人は鑑定を始めた。
「もし違った場合は衛兵に報告させてもらいますので」
と、受付嬢は疑いを確信しているようだ。
さて、なんて顔をしてくれるのかね。
「ロ、ローナさん……」
「なんでしょう? カルトさん」
へぇ……受付嬢が、ローナで鑑定員はカルトっていうのか。どうでもいいや。
「い、いますぐ衛兵に連絡をしてください」
「ほらみろです! すぐに衛兵が来るので……」
「ネロさんを捕縛するように伝えてください」
「わかりまし……え?! なんでネロさんを?! この嘘つきさんじゃないのですか?!」
おい。
「彼は……本物の、ミラトさんで……鏡魔術師です……」
「う、嘘ですよね?!」
「いえ、本当にミラトさんです……」
「で、でもネロさんが……」
らちが明かない。なら、
「これで満足か?」
と言いながらおれは手のひらから鏡を作り出した。
「な……そんな……」
受付嬢の開いた口がふさがらない。鑑定員は、伝説や英雄を見たかのようにひれ伏している。
まぁ、伝説なんだけどね。
「そんなはずありませんわ!!」
まだ食い下がるのかよ、この受付嬢は。
「何の騒ぎだい!」
と、奥から50代ほどのおばさんが現れた。
「し、支部長!この人が……」
「支部長、ローナが鏡魔術師であるミラト様を嘘つきと申しているのです。今すぐに解雇すべきです」
「なんで!カルトs……」
「鑑定はしたのかい?」
「えぇ……しっかりと。げんに鏡を作られているのが何よりの証拠だと思います」
「念のためあたしが鑑定するよ。いいね、若造」
「えぇ、どうぞ」
「大口をたたk……」
「どうしましたか? 支部長?」
「す、すみませんでした!」
と、頭を勢いよく地面にこすりつけた。
「なんで支部長まで?」
と、驚いてる。察しろ。
「この度は私どもの不都合によりご迷惑を、おかけしました! このものは解雇、その他職員についても再教育をしますので、どうか! どうか! この私の首で見逃してはいただかないでしょうか!」
いや、首とかいらないから。
「なんで私が解雇されるのですか?!」
「おだまり! この方は間違いなく鏡魔術師さまだよ! あたしが鑑定したんだ! まちがいないよ!」
と、一喝した。
「そ、そんな……じゃあ……」
「わかったら頭を下げな! 伝説職業様にとってこの街役所なんてすぐに消せる実力も、権力もあるんだよ!」
「す、すみませんでした!」
そう、鏡魔術師含む伝説職業には、どの国の国王よりもつよい権力がある。昔、ある馬鹿な小国が幽閉してたらしく大問題となったからだ。
「謝罪は受け取る。だが、首はいらない。その者の解雇、そして早く受理してくれ」
「わ、わかりました! すぐに!」
と言いながら支部長は奥に走り出した。受付嬢は青い顔をしている。
そんなこんなで俺の職業は受理された。
一時間後、素材の査定と活動拠点移転届のためにギルドにやってきた。このギルドには酒場も併用されており、辺りに酒の匂いが漂っている。
ふと、いつも俺たちがいた席に目を向けるとそこには、あいつらがいた。
「お荷物のミラトがいなくなって清々するぜ! あいつのためてた金も手に入ったしな」
ご機嫌に酒を飲んでるネロ達がいた。しかも俺のためていた金は病気の母のための仕送りのための金だ。
そのことを知っているメアはここにはいない。俺は耐え切れず、
「よぉ、人を生贄にしたネロ達よ、元気でうれしいよ」
と、フードを取りながら近づき、
「俺も混ぜてくれよ」
と、フードを完全に取り、顔があらわになった俺はそう言い放った。
やっとざまぁがかけます。主人公の力をたくさんお見せできると思いますので、ご期待ください!