初授業
少し説明回になります。今回私自身の独自の設定があるので、本文、あとがきを見てもいまいち理解できないという方はコメントしてくださると、そちらにて返信しようと思います。
次の日、いつものように起きてから、朝食をとり、軽く体を動かしてから、王城に向かった。いつもは直接クラスに向かうんだけど、昨日のことでもう少し話したいから、向かうことにした。
「シンラ、おはよう」
「おはようございます、シンラ様」
「あ! おはようございますミラトさん、リリーさん」
「今日話したいことがあってきちゃったけど……平気だった?」
「今から出る予定でしたので問題ありませんが……どうなさいました?」
「職業についてちょっとね」
「なるほど……わかりました」
「とりあえず、学院に向かおうか」
「そうですね」
俺達は移り鏡で学院のクラスに転移した。すでにクラスにいたのはシオルとレオだけだった。
「おはよ……あれ? なんか今日皆遅いね」
「あ、ミラト君にリリーシャさん、殿下。 おはようっす」
「お、おはよう」
「うむ。 ところでほかに来ていないのか?」
「そうみたいっすね」
「や、やっぱり昨日の件で、疲れちゃったんじゃないかな?」
「あぁ、なるほど」
「あ、シンラ。 さっきの話の続きなんだけど……みんなに話す?」
「話した方がよいと思うか?」
「どっちでもいいんじゃないかな?」
「では、皆がいるときに話そう」
「そうだね」
それから数十分の間に皆が集まった。やはりみんな少し疲れている様子が見られた。
「よ~し、授業を始めるぞ……なんだお前ら、眠そうな顔して」
授業をするためにクラスに来たアレックス先生が皆を見て、そんなことを問いかけてきた。
「あはは……実は昨日ダンジョンに行ったんですけど、その時の疲労が抜けていないようでして……」
「なるほどな」
「申し訳ないです」
「いや、逆にちょうどいいな」
「ちょうどいいとは?」
「今日の最初の授業は【職業】についての話だからな」
確かに、なかなかタイムリーな授業だ。
「まずは職業について理解してもらおう。職業はその人それぞれがそれぞれの思う進路に進むために定める、いわば道しるべだ。だが例外が勿論存在する。 ガネス、分かるか?」
「希少職業、失われた職業、伝承職業、伝説職業と呼ばれるものですね?」
「まぁ、ほかにも存在するが、概ねその通りだ。そして職業には職業熟練度というものが存在する。リリーシャ、職業熟練度とは何だ?」
「はい。 名の通り、職業の熟練度を示すもので、基本的に50が限界とされています」
「うん、そうだな。 では50に達したらどうなる? シンファルラ、答えてみろ」
「はい。進化の宝玉と呼ばれるものにより、職業の進化が行えるようになります」
「正解だ。では進化時の選択肢を増やすためにはどうすればいいかわかるか。 じゃあ……シオル」
「は、はい。 進化先を増やす手段はたくさんありますが、一番、例として挙がるのは魔法の習得です」
「そうだな。 今日は自分の職業がどこに分類されるかと、現段階での進化先の確認と進化先を増やすためについて考えてもらおうと思う。 んじゃ、俺は見てるからお前ら話し合え~」
一通りアレックス先生は話すと、俺たちに話しあうように促した。指示された通り、俺たちは黒板の前に集まると、各々自分の職業について話し始めた。
職業はスキルに大きくかかわってくる要因の一つで、剣士ならば剣のスキル、魔法使いなら魔法が習得しやすくなったりするが、必ず習得ができるわけではない。また、特定の職業にしか使えないスキルや魔法も存在する。
そして職業が料理人じゃなくても店は出せるし、逆に料理人でも冒険者はできる。