それぞれのバトルスタイル3
探索してる間、レナの武器について話していた。レナが持っているシャムシールはサーベルに酷似している。いや、そもそもシャムシール自体が似ているのか。腰に差さっているそれは一見普通のサーベルにも見えなくないが、よく見るとサーベルより湾曲している。
「ねぇレナ」
「どうしましたの? アリーシア」
「そのシャムシールってどんな特徴があるの?」
「あ、それは俺も気になってたっす!」
「そうですわねぇ……どういえばいいのでしょうか?」
「シャムシールは曲刀と呼ばれる、斬ることに特化した武器だね。 逆に突くことに特化したのがレイピアとかだね」
「そうでしたわ。 ありがとうございますミラトさん」
「ミラトって武器にも詳しいんっすね」
「まぁ、ある程度は……」
いや、俺も本当は知らなかった。だって俺今まで剣とか使ったことなかったし。メシアさんが知ってて助かった。
「あ、いるよ」
「本当ですの?」
「うん。 二体いるけど大丈夫?」
「問題ありませんわ」
数分後にはボロボロな剣を持ったスケルトン二体がいた。一体は小楯も持っている。
「行きますわ!」
レナは走り出すと同時に腰からシャムシールを抜いた。その刃は少し赤みがかっている。炉から出したような色と言えば伝わるだろうか。恐らくだが魔剣だろう。シンラと同じように、魔鉄に魔物の魔石を混ぜたものだろう。だ俺が作ったやつとは違い、刀身が染まりきっていないのは恐らく魔石の質だろう。
「えい!」
レナは近くにいた剣だけの方のスケルトンに斬りかかった。さすが斬ることに特化しているだけあり、スケルトンはあっけなく袈裟懸けにされた。
「風よ!【風罠】」
レナはもう一体のスケルトンの足元で魔法を発動させ、攻撃しよとしていたスケルトンはもろにくらい、派手に転んだ。
「これで終わりですわ!」
レナはシャムシールで魔石を斬り、スケルトンを倒した。
「お疲れ様」
「ふぅ、なかなか疲れるのですね」
「慣れかな?」
「が、頑張りますわ」
「これであと残ったのがシオルと殿下だけか」
「よし、じゃあ上に戻りながらにしようか」
「そうだな」
俺達は来た道を引き返し、上を目指して進みだした。
「シオル、いる」
「うん、分かった」
階段の近くに二体のスケルトンがいた。二体とも斧を持っており、うろうろしている。
「行ってくるね」
シオルは駆け出していき、左手でブロードソード、右手には短剣を持っている。予想だが職業は双剣士だな。双剣士と言ってもリリーのような同じような大きさの剣を二つ使うタイプと別々の大きさの武器を使うタイプといる。シオルは後者だろう。
「剣技【二連撃】」
シオルはブロードソードで下から斬り上げ、スケルトンの武器を持つ手を斬ると、そのまま斬り下ろしてスケルトンの胸の魔石を両断した。そのまま半回転すると逆手に持ち替えた短剣でもう一体のスケルトンの胸の魔石を砕いた。
レナのシャムシール
刃渡り一メートルほどで、真ん中ぐらいから湾曲しだしている。
炎の魔剣で、元となった魔石は討伐推奨レベルDのファイアーモンキー
魔力を通すことで斬撃に炎の追加効果を与えるが、魔石の質ゆえに炎を飛ばすことなどはできない