初ダンジョン
「よし、みんな登録終わったね?」
「あぁ」
「よし、じゃあダンジョン行こうか」
「今からっすか?!」
「うん」
「そ、それは少し早いのではないか?」
「早く階級を上げた方がいいし、みんなの実力を確かめるにはちょうどいいじゃん?」
「確かに言われてみればそうね……」
「と、いうことで、みんな武器とか、ポーションとかを持ってギルドの三階に集合ね」
「ミ、ミラト君。 三階って階級S以上しか使えないから……」
「それに関しては俺からステアさんに言っておくから大丈夫」
「ステアさんって誰なんだ?」
「ここのギルドのギルドマスターのステルクロニアって人だよ」
「ステルクロニアってあの【幻想】の元メンバーだったあのステルクロニアさん?!」
「うん」
「ほんとにミラトの交友関係ってすごいっすね」
「と、取り合えず三階に集合してね」
俺達は一度解散すると、皆が集まるまでの間に俺はギルドの三階にいってあらかじめステアさんに話といた。快くステアさんは了承してくれた。
そして一時間弱ほどでみんなが集まった。それぞれよく手入れさえた武器などを持っている。
「よし、じゃあダンジョンに行こう」
「行くのはいいが、どこに行くのだ?」
「今のところは【骸骨坑道】か【小鬼の集落】のどちらかのつもりなんだけど、汚れるし、【骸骨坑道】にしようかなと思ってるけど……どこか行きたいところがあったりするの?」
「さすがに討伐推奨レベルAとか出てこないよな?」
「さすがに出てこないから」
「ならよかった」
「じゃ行こうか」
俺は皆から同意を得ると、移り鏡で【骸骨坑道】へ転移した。もう皆慣れたようで、今回は皆ためらいなく移り鏡から出てきた。
「よし、皆出てきたね。 じゃあ行こうか」
俺達はダンジョンの中に入った。ダンジョンの中は割と整備され、とぎれとぎれになった線路が道の真ん中に敷いてある。
「ここはどんな感じのダンジョンなんだ?」
「ここは見てわかるように、元廃坑らしくて、五年位前かな? ここの坑道で鉄が取れたらしいんだけど、魔物が出るってことで捨てたらしい。 そしたら今みたいにダンジョンになったらしいよ」
「そうなんすね」
「まぁ、でもダンジョン化したことによって、鉄が魔鉄になったから、冒険者に採掘依頼が出てるらしいよ」
「お、なら採掘しないわけにはいかないっすね!」
「ここじゃあ純度も期待できないし、もう少し深く潜ろうか」
「了解っす!」
「魔物は強くない?」
「強い魔物は出ないの?」
「スケルトンしか出ないとは言われてるけど、最深部まで潜りきった人はいないみたいよ」
「ま、こっちにはミラトとリリーシャがいるし大丈夫だと思うけどね」
「わたくしもそう思いますわ」
「とりあえずもう少し深いところに行ったらみんなそれぞれに戦ってもらおうかな」
「会話しながら見ないで魔物を魔法で倒すとか……ミラトにしかできないな」
「えぇ? そうかな? お、階段だ」
「よし、下るか」
シンラの声と共に俺たちは階段を下り、二層についた。
【骸骨坑道】
スケルトン系しか出ないとされている坑道が元となったダンジョン。現在、五層まで潜られている。
現在確認されている層ではスケルトンしか出てこないため、ダンジョンランクはEとなっている。
五層でとれる魔鉄の純度は10%~25%%ほど