それぞれの魔法2
本日二話目となります
「凍てつけ【氷柱】」
パキ、パキパキパキ……
的の真下から段々と凍り付いていき、最終的に一本の柱になった。
「次、シュミラ」
「はい。 貫け【光の矢】」
ヒュン! ヒュン! ヒュン!
三本の光の矢が的の心臓や頭の位置に的確に当たった。威力はないのかもしれないが、殺傷力は十分にありそうだ。
「次、レオ」
「はいっす! 動け!【土人形】」
ゴゴゴゴゴ……
ちょうど的と同じぐらいの大きさの土で出来たゴーレムが現れると、その拳で的を殴りつけた。的は体半分ぐらいが抉れていた。
「次、レオノーラ」
「はい。 巻きつけ【木の蔦】」
スルスルスル……
木に巻き付く蔦が的に巻き付き、そのままきつくきつく絞め、ついには的にヒビがはいった。
「次、ガネス」
「はい。 羽ばたけ【赤鳥】」
ピィィィィィィイ!
炎で出来た手のひらサイズの鳥が的に一直線に飛んでいき、的を焼き貫いた。貫かれた辺りが焦げている。
「次、シンファルラ」
「はい。 鳴け【雷鳥】」
ピュィィィィィ!
ガナスに続いて鳥だが、ガナスとは違い、肩に乗る程度の大きさの鳥だ。鳥は的に当たると、的の半分ほどを消し炭にした。ん? 威力が強い……もしかしてシンラにはあの魔法の才能が?
「次、リリーシャ」
「はい」
「先生」
「どうした、ミラト」
「俺たちは入試を受けてないのですがどうすれば?」
「確かにそうだな。 なんか適当に撃ってくれ」
「だってよ、リリー」
「はい」
「じゃあ、仕切り直してリリーシャ」
「はい。 【氷剣】」
パキパキパキ……
氷で出来た二つの剣は的に向かっていくと、一本は斬り上げ、もう一本は横なぎに切った。派手な音を響かせながら四等分になった的が地面に転がった。
「次、ミラト」
「はい」
ついに俺かぁ。何にしようかなぁ……派手なのがいいよね、最後なわけだし。う~ん、悩むなぁ…………あ、いいのがあったじゃん!
「ミラト?」
「大丈夫です、行きます」
「ならいいが……」
「あ、先生。 念のため皆を下がらせといてください」
「わかった」
俺はみんなが下がったことを確認し、魔法の準備に入った。
「龍言語魔法【五天龍】」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
俺の周りには【炎】【水】【風】【土】【雷】で出来た龍が現れた。白銀の龍とは違い、魔法が龍の形をしているだけだが、それでも五匹となると圧巻だ。
「行け」
俺がそうつぶやくと、五匹の龍は的に向かっていき、的全てを跡形もなく吹き飛ばした。
龍言語魔法
本来詠唱を龍の言語で行う必要のある魔法
しかし省略詠唱や詠唱破棄のスキルがあれば詠唱せずに使える(ミラトがしたように)
龍にまつわるあらゆる魔法が分類されている
龍のブレスもここに含まれる