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公表の日

実は前から考えていたのですが、大きなざまぁの展開がないので三章始まると同時に題名を変更します!

 レイソルに心を抉られてから数日、俺は王城に来ていた。しかしいつもと違うのは服装と場所だ。いつもの冒険者のような服とは違い、紫を基調としたローブに身を包んでいる。もちろんメシアさんが持っていたものだ。そして場所はいつものような人目につかないような場所ではなく、国民から見えるように、少し広めに作られたベランダだ。しかもそこには遠隔視覚共有の魔法道具(マジックアイテム)があり、遠くの国民や、各国それぞれに中継されている。


「さて、準備はいいか? ミラトよ」

「あのさ、これがよく見える?」


 俺は煌びやかで威厳のあふれるローブを着ているが、なんというか、着られてるといったような様子だ。なんでこんな大勢にみられなきゃならんのさ……


「ねぇ、今から帰ってもいい?」

「ダメに決まってるだろ」

「だよね……」

「が、頑張ってください!」

「リリー……」


 え、何この子。可愛すぎるんだけど……癒されるわぁ……


「ありがとう、リリー」


 お礼に頭を撫でると、嬉しそうに尻尾が揺れていた。うん、幾分か緊張が和らいだ気がする。


「こんな時、メシアさんならどうするのかな……」


 いつもの癖だ。どうしても俺はメシアさんにはかなわない。そう思ってしまい、メシアさんに答えを求めてしまう。


「比べる必要なんてないと思いますよ」


 不意にリリーからそんなことを言われた。独り言が聞こえてたらしい。


「それでも俺は……メシアさんには、劣ってしまうんだ」

「確かにすごい方なのかもしれません。 でもあの時私を助けてくれたのはミラト様でした」

「それは……」

「それに、乱風蝉の時に助けてくださったのはミラト様のはずです」

「……」

「ミラト様はミラト様です。 私が尊敬するご主人様です」

「リリー……」

「だからきっと、できるはずです」

「…………そうだね、俺は俺だ。 メシアさんにも同じこと言われたのにな」

「フフッ、ミラト様ならできますよ」

「ありがとう、リリー。 レイソル、もう大丈夫だ」

「そうか、ちょうど時間だ」

「あぁ、分かった」


 そしてレイソルがベランダに出て国民たちに対し、話し始めた。そろそろ俺の出番が来るだろう。だが先ほどとは違い、焦りや緊張はない。


「じゃあリリー」

「はい」

「行ってくるよ」

「行ってらしゃいませ!」


 その言葉を聞きながら俺は、レイソルがいるベランダに向かっていき、自信に満ちた声でこう発した。


「初めまして、鏡魔術師、ミラト=スぺクルムだ」


 俺のその発言が響くと、劈くような歓声が俺の耳に届いた。そして何の問題もなく、二つ名の授与も終わり最後に


「俺は正式に、ネイシスと交友関係を築くことをここに宣言する!」


 この発言で公表は問題なく、終わりを迎えた。

これで二章のメインストーリーは終わります

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