第一王子
そろそろ終わります
先行者たちと食事をしてから数日、暇なのでレイソルのところに遊びに来た。ほんとに何の用もないけど。
「遊びに来たよ。 レイソル」
「お、ミラトか」
「お邪魔します」
「よく来たな、二人とも」
突然来たにも関わらず、レイソルは俺たちを歓迎してくれた。ほんとにそういうところ、素晴らしいと思う。勝手に来た俺が言うのもなんだけど。
「ん? 誰かいた?」
レイソルの近くに誰かいたな。背は俺とそんなに変わらないぐらいだけど……
「あぁ、ちょうどいい。 紹介しよう。 我が息子のシンファルラだ」
「あぁ、言ってたあの?」
「あぁ、わがネイシスの跡継ぎだ」
「へぇ~」
「ほら、シンラ、挨拶を」
「は、はい! だ、第一王子のシンファルラ=フォン=ネイシスです!」
そう名乗ったシンファルラは金髪の短髪ストレートにキリっとした顔立ちをしている。そして腰にはこの前俺が作った魔剣がある。
「シンファルラだね。 俺はミラト=スぺクルム。 レイソルから聞いてない?」
「お、お聞きしています! とても強いお方だと!」
「そうか。 あと、敬語は辞めてもらっていいよ。 俺は元平民だから慣れないし」
「い、いえ!そんな恐れ多い!」
「だって年、同じでしょ? ねぇ、レイソル、シンラは何歳?」
「シンラは今年で十七になるな」
「じゃあ同い年だね。 よし、敬語は無しで」
「ぜ、善処します……」
「おぉ、そうだ。 ミラト」
「何?」
「お主、学園に通ってみないか?」
「え?」
「ちょうどシンラも今年から入学するしな」
「あ、うん。 えっと、どこの学園に?」
「王立魔導学園だな」
「え……超名門学園じゃん」
「物は試しだ。 リリーシャ殿と一緒に通ってみないか?」
「俺が?」
「そうだ。 それにシンラもうれしいだろう?」
「はい!」
「だってよ、どうする? リリー?」
「私ですか? そうですね……ミラト様の制服姿、見てみたいです」
「そっか……じゃあ行ってみるかな」
「よし、決まりだな。 手続きはこちらからしておこう」
「悪いね」
「なに、こちらから言い出したことだ。 気にするな」
「お金はどうしようか。 今払おうか?」
「いや、気にするな」
「何から何まで悪いね」
「なに、礼を言いたいのはこちらの方だ」
「じゃ、お互い様だな」
「そうだな」
そして俺たちは互いに笑いあった。
「じゃ、俺は帰るよ」
「明日、また来てくれ」
「? まぁ、分かった」
そして俺たちは帰ることにした。
ほんと
と
本当
は使い分けます。誤字ではないです。
そしてシンラのプロフィールは三章で詳しく書きます