食事会
会話多めです
俺たちと先行者の三人はギルドを出ると、十分ほど王都をぶらつき、目に入った店の前で止まった。
「ここなんかどうだ?」
「お、なかなかよさそうだね」
「ここに肉はあるのか?」
「ガナス……また肉ですか……」
「ガハハッ! いいじゃねーかユファ」
「ははは、仲がいいんだね」
「まぁ、長いことパーティーを組んでますからね」
「ま、そういうことだな」
「あの、そろそろ中に入りませんか?」
「そうだな。 メネリアス中に入ろうか」
「お、確かにそうだな」
そして俺たちは目の前の店、【ササルナ飯店】の中に入った。
「いらっしゃいませー」
「五人いいかな?」
「はーい。 父さん、母さん。五人のお客さん来たよー」
「ササルナ、お冷出しといてもらえる?」
「はーい、母さん」
どうやら家族運営しているようだ。父と母が主に調理、息子のササルナと呼ばれた青年が注文を取るようだ。
「メネリアス達、何食べる?」
「なんでもいいんだよな……」
「じゃあなんか適当に頼むか」
「そうするか……ユファとガナスは?」
「果物があればほしいかも」
「肉だ肉!」
「ハハハ、分かった」
「リリーはどうする?」
「そうですね……お野菜もらっても?」
「わかった……注文いいですかー?」
「はーい!」
「とりあえずおすすめと果実や野菜、肉を頼む」
「はーい。 お飲み物はどうしますか?」
「あ、どうする?」
「そうだな、じゃあ果実酒を五つで」
「はーい。 少々お待ちください」
先に果実酒をもらい、乾杯することにした。
「新しい出会いに、カンパーイ!」
「「「「カンパーイ!」」」」
「で、リリーシャちゃんとミラトはどこで出会ったんだ?」
「えっ?!」
「メネリアス、早速それ聞く?」
「いや~気になってな」
「まぁ、別にいいけどな」
それから俺たちは、注文した料理を食べながら、果実酒を飲み、そして互いの気になることを聞いた。先行者はどうやってできたのかや普段はどんなふうに戦っているのか。そして、俺たちには今までどんな魔物を倒したのか、どこから来たのか、そして、
「ミラトの尊敬する人っているのか?」
この質問が来た。勿論俺には尊敬する人は一人しかいない。あの人だ。
「あぁ、いるよ」
「お、誰だ?」
「メシアって人だ。 あの人は俺に色々なものをくれたんだ」
「へぇ~。 そんなすごい人がいるんだな。俺も会ってみたいな」
「いや、もう会えないよ」
「ん? なんでだ?」
「あの人はもう死んでるんだ。 もう何百年も前に」
「え?」
「一度だけ、あの人の魂に会ったけどとても良い人だったよ。 会えるならもう一度会いたいな」
「なんか……悪いこと聞いちまったか?」
「いや、気にしないでくれ。 あの人はとっくに亡くなってたんだし」
「ちなみにフルネームとか聞いても?」
「メシア=フォン=ネイシス=スぺクルムと名乗ってたね」
「ネイシス?!」
「え、そこに驚く?」
「驚くわ?!」
そんなこんなで俺たちは楽しく食事を終えた。
そろそろ終わります二章