ダンジョン攻略達成
そろそろ五万PVにいきます!感謝です!
俺の目には黄金の像になりかけている破水大蛇の死体がある。流れ出る血すらも黄金になっている。
素材がダメになってしまうので、もう魔法は解除するか。
「その黄金の都は主が望む時のみ、この世界に現れる」
その言葉が発せられると、まるで夢のように黄金は消えた。そして残されたのは、死体となった破水大蛇と、かみ砕かれた大牙魚だけだ。
「…………」
「…………」
「よし、素材をしまって持ち帰るか。 またレイソルにでも買い取ってもらおうかな」
俺は死体に近づくと鏡の世界の中にしまった。そして鏡の世界の中で変化の鏡で半分にした。今後武器かなんか作ってみようかな?
「大牙魚は……一応とっていくか」
何かに使えるかもしれないからね。
「…………」
「…………」
「あれ? 二人ともどうしたの? 終わったから帰ろうよ」
「あ、あのな? ミラト。 お前は何したかを分かっているのか?」
「ん? 何って破水大蛇を倒したけど?」
「その方法の話だよ!」
「もしかして……黄金魔法じゃだめだった?」
「ダメじゃねーよ?! ダメじゃねーけどなんでそんなしれっと葬り去られた魔法を使うんだよ?!」
「だって、動きを止めて、大技を打ち込むしかないって言ったから、一番適切な魔法を使っただけだよ?」
「ふつうは葬り去られた魔法は使わないからな?!」
「え? 逆にどうするつもりだったの?」
「そりゃ……雷魔法を水に撃って痺れさすとか?」
「そうか……なら天候魔法の方がよかったのか」
「いや、天候魔法も葬り去られた魔法だからな?!」
「えぇ~」
「まぁまぁ、メネリアスさんも落ち着いてください」
「落ち着けるかよ……」
「なんでそんな興奮しているかわからないけど、帰ろうか」
「お前のせいだけどな……」
「そ、それよりミラト様。 蒼光石を採取しなくていいんですか?」
「そうだ! とりあえずこの地底湖の底にあるやつでも採取しに行くか」
「水でも枯らすのか?」
「そんなことするわけないだろ? こうするんだよ」
俺は魔力を集めると空間魔法【空間収納】に水を全てしまった。
「これで水はなくなったから、おりて採取しに行こう」
「お供します」
「こいつは何でもスケールがでかいのな……」
と、言いながらも先に降りていた俺たちを、追いかけるようにメネリアスはおりてきた。
「よし、とりあえずこのぐらいあればいいかな」
頬を伝う汗をぬぐった俺の近くには、まるで水の魔力を凝縮したような、上の階とは比べられないほど純度が高い蒼光石が俺の背丈ほど集まっていた。
「このぐらいあればきっとたりますね」
「リリーが一緒に採取してくれたから早く終わったよ」
「俺もそれなりに採取できたな」
メネリアスは持参していた魔法道具の収納袋の許容量ほぼ満タンになるぐらいまで採取していた。
「よし、じゃあ浮遊魔法をかけるぞ」
「はい」
「あぁ、わかった」
二人の返事を聞いた後、俺は俺を含めて三人に浮遊魔法をかけた。浮遊魔法にて、地底湖から出た俺は、空間収納の中から水を元に戻した。ぽっかりと空いた穴は再び、美しい水に満たされた。
「じゃあ、脱出するために魔法を使うぞ」
俺はそのあと、移り鏡を使い、二人を連れて、水没の湖から脱出した。
天候魔法
名の通り、天気を操る魔法である。
時には晴れや雨を降らし、豊作にしたり、落雷などを再現して広範囲に攻撃したりする魔法
空間魔法
時空魔法の下位互換。しかしそれでも使い手は少ない。
今回出てきた空間収納は鏡の世界に比べて汎用性が低く一時的に何かを収納するときに使用されることが多い。
魔法道具
魔法を込められた道具で魔力を込めることで発動するタイプと魔石によって魔石の魔力がなくなるまで稼働するタイプ、永続的に発動するタイプがある。
永続的に発動するタイプが一番高価となる。