理想の黄金郷
前回の答えが出ます!
「ほ、本当か?!」
「あぁ、できる」
「だが、水による捕縛はできないし、凍らすにしてもあの巨体全ては無理だし、潜られたらどうしようもないぞ!」
「あぁ、分かっている。 だからこうするんだ」
今からここはすべて俺が支配してやればいい。理想通りにすべてを動かせる世界を作ってしまえばいい。
「さぁ、今からここは俺の理想の王国となる」
尋常じゃないほどの魔力を集める。先ほどの数千倍はあるだろう。それを察知したのか破水大蛇は深くに潜りだした。
そして次第に辺りの景色が塗り替えられていった。壁も床も、そして水すらも。
「現れろ! 黄金魔法【理想の黄金郷】」
ダンジョンの最下層で一番広い階層全てが金に包まれた。ここは俺のためだけの王国で、世界だ。
「その黄金の水は、すべてを蝕む」
「シヤヤャャャャャアアアア!」
耐えきれず、黄金に塗り替えられた水から自ら出てきて、俺を睨む破水大蛇。尻尾からすでに黄金になりかけていた。
「シヤヤャャャャャアアアア!」
俺に対して噛み付こうと近づいてくる。怒り狂った目をしながら。
「その黄金の門は、如何なるものでも通ることは許されぬ」
地面から現れた、空間の半分ほどの高さの黄金の門は噛み付こうとしてきた破水大蛇をいともたやすく跳ね返す。
俺に効かないと察した破水大蛇は、主に俺の魔法に対してフリーズしていたメネリアスとリリーを狙いだした。そちらに向かい、尾を薙ぎ払おうとした。もちろんそんなことはさせたりはしない。
「その黄金の城壁は、主を守るためにある。あらゆるものを無にする不壊の壁なり」
俺が手を薙ぎ払うと、門から繋がるように壁が現れる。瞬く間にダンジョンの端まで到達した城壁は、二人を破水大蛇から守った。今のうちに俺は二人を呼び寄せた。
「二人とも、俺の近くに」
「あ、あぁ……」
「わ、わかりました……」
俺の近くに来たのを確認した俺は次の行動に移した。
「主は遥かなる高みから、優雅にすべてを眺める」
俺の周りから盛り上がり、高さ百十数メートルあった天井まで届く、黄金の城が出来上がった。そして、その城のベランダのような場所に現れた黄金の玉座には、俺が足を組みながら座っている。俺は後ろにはちゃんと、二人がいることを確認し、攻撃を防がれ、防いだその壁に向けて毒を放っている破水大蛇を見下ろした。確かにこいつはでかいが、とぐろを巻いている状態は十数メートルほどだ。
「その黄金兵は主を守るため、すべての害を排除する」
黄金によって生み出された、高さ十メートルほどの巨人の兵士たちは手にしている槍を破水大蛇に突き刺した。突き刺されたところから黄金に染まりだしている。
「シャャャャャャャャャャャャャャヤヤヤヤヤ!!」
あまりの痛みに悶えだし、暴れまわる破水大蛇。だが黄金兵は傷一つついてない。
そろそろ終わらせよう。
「その剣は罪を裁く断罪の刃にして、主の無敗の象徴」
黄金によってできた、五十メートルを超えたその剣はあらゆるものを魅了する。
「その剣が地に刺さるのは一度のみ。それは主の約束された勝利の時」
ズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン…………
黄金の剣が地に刺さった。破水大蛇の首を斬り、切り口から黄金の像へと、変化させながら。
出てきたのは有名な黄金郷、エルドラドでした!
何人かは予想がついていると思いますが、かなりチート性能だったと思います!もちろん黄金魔法は白銀魔法と同じ葬り去られた魔法の一つです!
それと、今後もいろんな技などが出てきますが、神話に神、悪魔などたくさんの物がごちゃ混ぜとなっており、今後もそうなると思いますがどうかご理解のほど、よろしくお願いします