破水大蛇
書くことないので早速本編へどうぞ!
炎狼、乱風蝉と同じくとても有名な討伐推奨レベルSの魔物、破水大蛇。
特徴は何より、その大きさだ。地底湖から出ている一部だけでも乱風蝉よりでかい。
恐らく全身で数百メートルは行くのかもしれない。しかもその巨体なのにあり得ないほど素早い。
だが恐らく持続的に早いわけではなく、縮めた体を伸ばすときの一瞬の速さの類だろう。
ほかにも討伐推奨レベルAの鱗をやすやすとかみ砕く無数の歯に、蛇系の魔物によくある毒。恐らく破水大蛇も何かしらの毒はあるだろう。
最後にこの個体のみだが……蒼い瞳をしているということは蒼光石を食べ、水魔法に対しての耐性を得ているのだろう。
「メネリアス、あいつには水魔法は効果がない」
「なんでだ?」
「あいつの目を見てみろ。 水魔法に耐性を得ていたリザードマンジェネラルを同じ蒼い瞳をしている」
「そうか……」
「とりあえず何か魔法を撃ってみるか……」
破水大蛇がどこまで魔法に対して抵抗力があるかもわからないし、魔力に対してどれだけ敏感なのかもわからないからな。
「なら、俺がやってみる」
「わかった。 リリー、俺たちは武器を構えて待機だ」
「了解です」
「風よ、斬り裂け! 【風刃】」
省略詠唱の後に放たれた、風で出来た刃は破水大蛇に当たりはしたものの、当の破水大蛇は全く気にしていないようだ。
「おいおい、嘘だろ?」
「おい! よけろ!」
「うお! あ、あぶねぇ……た、助かった」
攻撃の反撃なのかは知らないが、破水大蛇は毒を放ってきた。メネリアスのいた場所に正確に飛んできた毒は、床を溶かし、ついには目視できない距離まで溶かしていった。
「これは喰らってたら死んでたかもな……ミラト、ありがとな」
「なに、気にしないでくれ」
「でもどうしますか?」
「次は俺が魔法を撃ってみよう」
なるべく威力が高く、高すぎない魔法……そしてこの状況下でも力を十分に発揮する魔法……
「【衝撃爆発】」
「あぁ! 潜りやがった!」
潜られることは想定内だ。魔力をそれなりに込めたこの魔法にどれだけ早く反応したかを知りたい。
ドオオオォォォォオオオン!
ワンテンポ遅れて起きた大爆発。水面も激しく揺れている。
「……どうだ?」
「さ、流石に死んだんじゃないか?」
あれ、いやな予感がするぞ……
「シヤヤャャャャャアアアア!」
ほらやっぱり! 尾の方が少し焦げているが、それは体が大きかったからだろう。逆にあの程度で済むぐらいに、早めに逃げ出せたってことか。
「魔力に対する反応速度も速かった……大技はよけられるか」
「どうすんだ? 反応前に撃っても威力は出ないし……」
「近づくなんてリスクが高すぎます」
「シヤヤャャャャャアアアア!」
俺たちにはお構いもなしに、周りにあった水を利用して高圧の鞭で陸地を無造作にたたく破水大蛇。
「【魔法反射】」
普段とは違い、複数個作り出して俺たちを囲うように展開し、何とか難をのがれた。効果がないと理解したのか、破水大蛇は再度、水に潜った。
「ど、どうするんだよ!」
「破水大蛇の動きを止めて、大技を打ち込むしかないかと……」
「そんな理想的な展開なんて作れないだろ?」
理想?まてよ、あの魔法ならもしかしたら……
「……いや、できる。 メネリアス、リリー」
俺はにやりと笑った。
不敵に笑ったミラト。何をしでかすのか?
察しのいいひとはわかると思いますが、次回明らかにします!