魔法剣士
少し長めです
「…………嘘だろ……?」
……カチン……
いつ聞いてもこの納刀するときの音って気持ちいいよね。なんかすっきりするというかなんというか、清々しい気持ちになる……気がする。
「お疲れ様です。 ミラト様」
「ありがとう、リリー。 とりあえずこいつは鏡の世界の中にいれておくか」
すると真っ二つになったリザードマンジェネラルの死体は消えた。まぁ、正確にはしまったのだが……
「あれ?! 死体はどこに?! てか、さっきの鏡は何だよ?!」
「あ~その前に自己紹介しないか? ほら、お互い初対面だろ?」
「確かにそうだな。 俺はメネリアスっていうんだ。 さっき言った通り、俺は階級Sで職業は魔法剣士だ」
メネリアスと名乗った青年は茶髪の短髪。背は170ほど、装備は特注らしいブロードソードに、魔物の革で作られた胸当てや関節を保護している軽戦士といった装備をしている。しかし魔法剣士の特徴は魔法と剣の併用だ。もちろん魔法にも弓と同じで距離減衰は存在する。まぁ、高レベルの魔法やベテランの弓使いの放った矢には距離減衰なんてほぼほぼ存在しないのだが。
まぁ、それは置いといて……考えてみてほしい。剣で斬れる距離で威力の劣ってない魔法が飛んでくる様を。
普通の人は手も足も出ないだろう。
「私は魔法双剣士のリリーシャと申します。 使う武器は双剣で、魔法もいくつか使えます。 そしてこちらにいるミラト様の奴隷です」
「奴隷……」
「先にお伝えしておきますが私は苦しめられたりなどはされていません。 それどころかとても誇りに思っておりますので」
「まぁ、奴隷がダメとは言わないけどな……こんな美人を連れてて、うらやましいなと思っただけだ」
「次は俺か。 ミラト=スぺクルム。 あと……まだ秘密にしててほしいけど、俺は四皇帝の一人、鏡魔術師だ。 よろしくな」
「鏡魔術師?!」
「あ、階級はEXだ」
「EX?!」
この人、驚きすぎじゃ……完全に俺のせいだね……
「すまない、驚かせてしまったかな?」
「き、きに、きに気にしないでくれ……です」
「敬語じゃなくていいって。 その方がお互い楽だろ?」
「あーー……じゃあそうさせてもらうわ」
「あぁ、頼む」
「にしても鏡魔術師と臨時とはいえパーティー組むのか……」
「わかるところまででいいから頼むよ」
「こりゃ、俺のパーティーにも自慢できるぜ」
「ほかにもメンバーが?」
「あぁ、今は里帰りしてるけどな、タンクと付与術師がいるんだ」
「そうか」
「階級Sのパーティーの【先行者】のリーダーを一応させてもらっているんだ」
「【先行者】って確か……未確認ダンジョンをよく見つけて、ボスまでのマッピングをして、その情報をよくギルドに提供するあの?」
「まぁ、確かにそれはしているな」
「俺もパーティー組んでた頃にお世話になったよ」
「失礼かもしんないが、何て名前だったんだ?」
「夢の探究者って名前だよ」
「あの、攻略率、トップスリーの?!」
「まぁ、もうないけどな」
「なんかあったのか?」
「まぁ、いろいろと」
「大変だったんだな……」
「ま、今はこんなかわいい子がいるからいいけどな」
「かわいい…………」
「あ~仲がいいんだな」
「少なくとも出会いはどうであれ俺は、最高のパートナーに出会えたと思ってるよ」
「かわいい…………」
「まぁ、俺のパーティーも仲は良いぜ」
「じゃあ帰ったら会わせてくれないか?」
「もちろんいいぜ」
「かわいい…………」
「じゃ、このダンジョンを攻略するかな」
「じゃあわかるところまで案内するぜ」
「かわいい…………」
「あのーリリーさん?」
「かわいい…………ハッ! すみません、いかがしました?」
「ほら、行くよ」
「は、はい!」
「あと」
「?」
俺はリリーに近づくと、
「そういうところがかわいいよ」
と、つぶやいた。
「へッ?!」
そのあとのリリーは数分ほど顔を真っ赤にしていた。
今回出た新役職の一つの詳細です
付与術師
自分が使える魔法、もしくは触れている仲間が使える魔法を一時的に付与できる。
威力は付与する魔法の威力と、熟練度に依存する。
魔道具や能力ありの武器とは違い、魔力を通す必要はない。
ただし、付与した魔力が消えると再度付与しなければならない。