耐性持ちの厄介さ
一応新キャラを出しました!
そして視点変更もあります!
~???視点~
「くそ! なんで魔法が効かないんだ! 俺は階級Sなんだぞ!」
俺は一番自信のあった【水蛇】を放つ。数匹の水で出来た蛇が、俺を追いかけてくるリザードマンソルジャーを水蛇に捕らえ、締め付け、絶命させる。だがなぜか中央にいるリザードマンジェネラルに、水蛇が当たった瞬間に、霧散していく。
「今、俺が使える魔法は炎、水、風だが水が効かないとなると、恐らく耐性持ちの亜種か? となると水は使えないな。 なら、炎か風なんだがどちらもあの鱗を貫くほど威力はない……どうする?」
いろいろと試してみたり、自分の実力を理解した上でこの結論に至った。手詰まりだ。
「とりあえず、さっきからしている妨害魔法のおかげか、一定の距離は保てているのが救いか」
風妨害魔法の【風罠】は相手の足元に小さな渦を生み出し、バランスを崩させるという、風魔法を練習し始めた人でもできる簡単な魔法だ。消費魔力も少ないからもうしばらくは逃げれそうだ。
「とりあえず一度戻って対策をとるか」
俺は来た道を戻った。一瞬後ろを振り向いたときに、リザードマンジェネラルの瞳が蒼く見えた気がした。
~ミラト視点~
「なかなか強い魔物がいないね」
「あの、ミラト様……」
「ん?」
「この武器……強すぎません?」
「【対の双剣 連】と【対の双剣 撃】のこと? そんなに?」
「すくなくとも私が親から引き継いでた双剣の数十倍は斬れ味がいいです」
「まぁ、いいじゃん」
「なんでこんなに斬れるんですか?!」
「ちょっと待って、材質見るから」
「…………」
「…………」
「連がオリハルコンで、撃がアダマンタイトだって」
「希金属…………」
「あ、しかも【連】は連続攻撃するごとに威力が一・一倍、一・二倍、といった感じで与えるダメージが増えてく能力があり、【撃】は一定数の二倍の魔力を込めると次の一撃は二倍、一定数の三倍を込めると次の一撃が三倍といった感じで増えてく能力があるって」
「…………」
「よかったね」
サムズアップしといた。
「グッ! じゃないですよ!」
「だめ?」
「ダメじゃないですけど……」
「ちなみに雪月花は……」
「おいアンタたち! 逃げろ――!」
俺が雪月花の説明をしようとすると、一人の男がこちらに向かって走ってきた。
「す、すまない! 俺が亜種と思われるリザードマンジェネラルを連れてきちまった!」
「亜種?」
「はぁ、はぁ、あぁ、水魔法が無効化されたんだ……」
「リリー」
「はい、恐らく蒼光石を食べた個体ですね」
「倒すか」
「お、おい!正気か?! 自慢じゃないが俺は階級Sの魔法剣士だ。 それなりに魔法は使えるんだ」
「おぉ、魔法剣士か。 確かリリーは魔法双剣士だっけ?」
「はい、そうですね」
「お、おい!のんきに会話してる場合じゃないぞ! も、もう追い付いてきちまった!」
そのセリフと同時に、サーベルを二本持ったリザードマンジェネラルが現れた。普通のリザードマンに比べて二回りほどでかい。
「こ、こうなったら……俺が時間を稼ぐからあんたらは逃げてくれ!」
魔法剣士の男は腰に差していたブロードソードを右手に、左手で魔力を集めだした。
「ねぇ、君はこの後の道分かる?」
「一応わかるが……」
「じゃあ、こうしよう。 俺がこいつを倒すから道案内頼む」
「な、なにを……」
「グワアアアァァァアア!」
「刀術……【雪輪抜刀】」
俺にほぼゼロ距離まで近づいてきたリザードマンジェネラルを縦に両断するように鞘から白い半円が空を斬った。
そしてワンテンポ遅れてーー
ズル…………
リザードマンジェネラルの斬られた半身が俺の横に転がった。
今回の武器詳細
雪月花
鞘や鍔などは漆黒。だが刃は本編で書いた通り、雪のように白い。刃渡りは一メートルほど。
材質は神鉄。(神鉄は神器作成に使われる超希少金属)
神鉄により、【神器】に分類される。
*本作では神鉄とオリハルコンは別物とします。
能力は今現在で
【雪斬刃】刃が常に冷気を発しており、斬ったときに血液などを凍らすことで、斬れ味を落とさないようになっている。
【魔法纏】付与魔法なしでも魔法属性を得れる。