絶望と憎しみ。そして覚醒
少し長めです。
ざまぁはもう少し先になります。
「じゃあな! 用済みミラト!」
「最後に私たちの役に立てるんだから光栄に思いなさい!」
「ごめんなさい~ミラトさん」
「さっさと逃げようよ~ネロ~」
「だ、ダメ! ミラトを、ミラトを助けなきゃ!」
「ほら、メア! 早く逃げるのよ!」
「い、いや!! ミラトが、ミラトが死んじゃう!」
と、ネロ達は俺を置いて、来た道を戻り始めてしまった。ただ一人抵抗を見せたメアもファナに抱きかかえられて無理矢理連れて行かれた。
「う、嘘……だ……ろ……」
俺は絶望していた。身体的にはそこまで大きなダメージはない。ただ心の傷が大きすぎた。
俺はダンジョンの中だということを忘れて立ち尽くした。ほんの数秒にも満たない時間だったが俺にとっては果てしなく長く感じた。
しかし時は残酷。痺れを切らしたのか、
「グワアアァァァァァアアアアアア!!」
空気どころか大地まで揺るがしそうな、そんな雄たけびが辺りに響いたことで、俺は現実へと引きずり戻された。
嘘だと、質の悪い夢だと思いたかった。目覚めたら元に戻っていると思いたかった。
だが、そんなわずかな希望を踏み潰すかのごとく結晶でできた龍はその大足を無造作に持ち上げた。羽虫を潰すかのごとく何の躊躇いもなく振り下ろされる。
イヤだ……死にたくない……こんなところで……なんで俺が……なんで俺が死んで……あんな……あんなクズどもが幸せになるんだ……ユルサナイ……ゆるさない許さない……あいつらだけは許さない!
そんな言葉が目まぐるしく脳の中で渦巻いた。
「【物理反……射!】」
--ガキン!!
まるで鉄同士がぶつかったような音がした。辛うじて防いでいるものの、重すぎて跳ね返すことができない。すると竜は踏み潰せなかったのを不快に思ったのか、そのまま足を振りぬいた。
--ブウゥゥゥン!!
と、そんな音を響かせながら俺は、反対の壁まで吹き飛ばされた。
「ガハッ!」
俺は無防備なまま壁に打ち付けられた。骨も何本か折れている。 吹き飛ばした龍はゆっくりと近づいている。自分こそが王だと示すかの如く悠然としている。
俺は醜くも少しでも助かろうと、端を目指しながら這いずった。
(少しでも端へ……端に……向かうんだ……)
その一心で這いずっていると少し丸く窪んでいた。効果は何か分からないが魔法陣なのは理解できた。
藁にもすがるようなそんな感覚で魔法陣に魔力を流した途端、変化が起きた。
「なんだ……これ、は……」
俺を中心とした魔法陣が形成された。しかしすぐそこまで竜は迫ってきた。龍は先ほどより断然早く足を振り下ろした。俺は恐怖のあまり目を瞑ってしまった。
龍の足が俺を踏み潰す刹那、俺は……転移した。
おかしい。いつまでたっても衝撃が来ない。俺は恐る恐る目を開けるとそこは、不思議なところだった。
そこには畑があり、湧水があり、家畜がおり、そして大きな純白の神殿があった。いちど近くで見た王城にも引けを取らない大きさだ。
辛うじて歩けた俺はよろめきながら神殿へと近づいた。
「だれ、か……いま、せん……か……」
返事はない。中には机に椅子、ベッドに調理場などがあった。壁にはとてもオーラを放つ武器たちが飾られていた。
そして奥の椅子にはローブを着た人が座っていた。紫色に輝く宝玉のような物を大事そうに抱えながら。
俺はなぜかその宝玉に呼ばれるような感覚に陥った。手にしなきゃいけない気がする。
そして俺はその宝玉に触れた、その瞬間。俺は紫色の光に包まれた。暖かく、優しい光だった。
その光が霧散すると傷は治り、魔力量も格段に増え、そして何より多くのスキルを得た。
「何が起きたんだ? ……あれ? ……スキルが多すぎる……ん? 映し鏡? これでスキルが見れるのか?」
早速俺は使ってみた。
「【映し鏡】」
すると目の前に鏡が現れた。
名前:ミラト=スぺクルム
年齢:17
性別:男
種族:ヒューマン
職業:鏡魔術師
職業熟練度:999
スキル
魔法反射
物理反射
二倍魔法反射
二倍物理反射
鏡の世界
記憶の鏡
再現の鏡
映し鏡
移り鏡
割れる鏡
幻惑の鏡
変化の鏡
治癒の鏡
看破の鏡
割れた鏡の欠片
現れた鏡の欄を意識すれば詳細が見れるらしいがそれよりも、
「増えすぎだろ……」
スキルが多い! とにかく多いのだ。
なぜこうなったのか調べてみると記憶の鏡に一つの記憶が残っていた。
星五つおねがいします!
こんなキャラいない?
こんなジョブどう?
等の意見は大歓迎です!
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