約束
やばい、書くことがないです(笑)
「……貴方、スぺクルムの名を語ったからには相応の覚悟かあるのですね?」
と、先ほど俺を名乗らせた人が聞いてきた。一見人のよさそうなお爺さんだがその目の鋭さは失われていない。かなりの強者だとわかる。
「あぁ、俺は間違いなくスぺクルムの名を継いだ。何なら鑑定をしてくれてもかまわないし、ギルドカードもお見せしよう」
「……分かりました。そこの君! 王宮鑑定士を呼んできてくれ!」
「仰せのままに!」
と、近衛兵の一人が走り出した。
近衛兵が出て行ってから戻ってくるまでの間、応接間は得体のしれない緊張感と静寂に包まれていた。
「はぁ、はぁ、失礼します! 王宮鑑定士の方を連れてまいりました!」
「ご苦労、持ち場に戻るように」
「はい!」
と、高そうなローブに片方しかレンズのない不思議なメガネをしたおっさんを連れてきた。鑑定士というより研究者といった方が近いかもしれない。
「これはこれは宰相殿、本日はどのようなご用件で?」
「ご無沙汰しております。ヘローネ子爵。 本日はある人を鑑定してほしいのです」
「それは王に対して跪いておられないあの若造の事ですか?」
「いかにも。すでに本人の許可は取ってあります」
「なるほど、では早速行います。若造、準備はよいな?」
「えぇ、どうぞ」
そして鑑定が始まった。と言っても数秒で終わるのだが……
そして鑑定士は青ざめた顔で、
「そ、そんな……バカな、もう一度失礼します……」
とつぶやきながらもう一度俺を鑑定し……
「ま、間違いない……」
と、言ったかっと思うと俺に対して平伏した。跪くより従う意思の高い、いわば崇拝と同じ意味合いを持つ。
「ど、どうなされたのですか? 早く我々にお伝えください!」
と、宰相と呼ばれた人がヘローネ子爵に声をかけるとヘローネ子爵はポツリポツリと語りだした。
「ご、ご報告いたします。王よ、鑑定のけ、結果、間違いなく……スぺクルムの名を継いだ……伝説職業の、か、鏡魔術師様だということがは、判明いたしました……」
といった。数秒の静寂が訪れた。
その静寂を破ったのは紛れもない王だった。
「……間違いないのだな?」
「はい、二度私は確認いたしました。間違いありません」
そしてその声が響き渡ると、
カラン……
と何かを落とした音が響いた。音のした方を見ると先ほど俺に向けられていた槍が地面に落ちていた。
その槍を向けてきた近衛兵は別の意味ですごい顔をしていた。
そちらに気を取られていると王が口を開いた。
「そうか、なら跪くべきは私の方か……鏡魔術師ミラト殿」
そして、王が俺に対して跪いた。律儀に高いところからではなく玉座から降りて俺の目の前で跪いた。
それが引き金となったのか宰相や近衛兵、周りの大臣職を担う貴族たち全員が俺に対して跪いた。
なんかスケールがすごくなった気が......