勘
此の章のメインに突入させるために本来の想定より色々省略して書こうと思います。もし気になる方がいた場合、後々どこかで詳細にかきますので、コメントの方おねがいします
「それは一体……」
「対して価値のない、思い込み程度にはなりますが……」
「それでも大丈夫です」
アカリの感じている不信感は、冒険者の勘のようなものだろう。意外と直感でかんじたことはバカにならないことがあるのを、俺を含めた上位の冒険者たちは知っているし、体験している。
「わかりました……お話しいたします」
俺たちも一旦食事を止めて、話を聞く。リリーはギルドの時のようにメモをとる体制になった。アカリも待ってくれていたようでひと段落立ってから話初めた。
「まず一番最初に感じた違和感は……昨夜の会食のときですな」
「会食の時ですか?」
「はい。 拙者たちは会食時、それなりに早く会場にお邪魔させて頂いていたのですが、我々より先におられたのです。 それだけなら対して問題ないのですが、彼女は探し物をしているようでした。 それも……まるで何かの仇を探すような、復讐相手を探すような執着に近い形相をしていました」
「執着……」
「その後、ミラト殿たちがこられた後、彼女はずっとあなたのことを見ておられました。 その様子も、見たことがあるというより、人伝から聞いた情報とすり合わせるような、そんな様子でした」
「それが何かおかしいのですか?」
俺は自分で言うのもなんだが、有名だ。 何年振りかは知らないが、伝説上と言われてきた鏡魔術師なのだから、見たことなくても人伝に聞いたことがあるぐらいはあってもおかしくはない。
「ここで一つ、拙者の話をよろしいですか?」
「……? えぇ」
「拙者は、昨夜の会食が行われるまで、鏡魔術師のミラト殿が来られることは存じ上げておりませんでした」
「えっと、そうだったんですね……それが一体……?」
「仮にも国家の代表としてきた拙者ですら知らなかった情報を知って、該当する人、つまりはミラト殿を探していた……そう仮定した場合、一気に怪しくなってはきませぬか?」
「「っ?!」」
俺とリリーが合わせて息を呑む。確かにそう言われてみれば違和感を感じざるを得ない。
「そういえば、テラーさんは昨日仲間がお世話になったと……でもだとしたらおかしい」
「なにがですか?」
「えっとね、リリー。 俺って貴族じゃないんだよ」
「それは知ってますが……」
「仲間という言葉をそのまま受け取るなら、合奏団や音楽家の人たちになるだろ?」
「そうですね」
「俺、合奏を聞いたことがないんだ。 もちろん音楽家を呼んだことも無い」
ここまで話してリリーとアカリも察したようだ。
「テラーさんの言っていた仲間って誰だ……?」
冷や汗が額から流れ落ちる。本当に些細な違和感、勘としか言いようがないほどの理由たり得ない程度の理由……だがこうも気になってしまえば、無視することはできないだろう。




