次の日
更新です
次の日、俺たちは用意された朝食を食べた後、みんなで集まって、昨日の夜話したことをリリーたちに共有した。
「って感じで動こうと思っているんだけど」
「分かりましたわ。 なにか私達にできることはありまして?」
俺たちの話を最後まで聞いた後に、レナがおっとりとした声で質問を投げかけてくる。俺はシンラに目配せすると、シンラは軽く頷いてから話し出す。
「それについてもこちらで考えてある。 まずレオノーラにはガネスと協力して過去に音楽国際交流期間中に事件があったかどうかを調べてくれ」
「えぇ、承知いたしましたわ殿下」
「シュミラとシュミナは物流から不審な動きかないかどうかを調べてくれないか?」
「わかった。 ミラ、ミナと頑張る」
「はい。 ミナ、ミラと頑張る」
「アリーシアはレオとシオルと一緒に聞き込みの方を手伝って欲しい」
「ま、そんな気はしてたわ。 おっけー、まかせてちょうだい」
「リリーシャは、まぁいわなくても皆わかってるだろ」
シンラがそう言うと、皆がウンウンと言った様子で頷く。それを聞いてリリーは顔を赤らめている。ただ尻尾が微妙に揺れているため、嫌と言ったわけではないのだろう。
「じゃあ早速だが動いてもらおうと思うのだが、何か皆は言いたいことはあるか?」
「あ、じゃあいいかい?」
「どうした、ミラト」
俺はおもむろに右手を上げて立ち上がる。そのまま鏡の世界からブレスレットを八つ取り出して机の上に置く。
「これは何すか?」
「今回皆バラバラで動いてもらうと思うんだけど、危険が伴うことだから勝手に準備させてもらった、お守りみたいなやつかな?」
シンラは机の上に置かれたブレスレットを持ち上げ、右手につける。
「ミラトのことだ。ただのお守りというわけでもないのだろう?」
「よく分かったね。 そのブレスレットに魔力を流すと簡易的に結界を張ることができるよ。 後おまけとしてブレスレットを持っている人同士で離れていても会話ができるようになってる」
「はぁ……もう驚かないが、相変わらずだな」
「まぁなにかあってからじゃ遅いからね。 それに今回は俺の指名依頼にみんなを巻き込んだ形になったからこれくらいはさせてほしい」
「ま、くれるというならありがたくいただくがな。 ほら、皆も遠慮せずに受け取っておけ」
シンラがそういうと、皆机の上からブレスレットを手に取り腕につけ始める。
「じゃあ皆頼んだぞ」
「わかったよ」
「はい」
「分かりました」
「お任せくださいな」
「了解っす!」
「が、がんばるね」
「ミラ、頑張る」
「ミナ、やってみる」
「任せてちょうだい」
俺たちは各自部屋に戻り、装備を整えてから教会の出入り口に向かっていく。その道中で両手で大量の書類を抱えているアレスさんとバッタリ遭遇した。
「おや、皆様お揃いで外出ですか?」
「はい。 夕方ごろには戻ってくる予定です」
「そうですか。 くれぐれもお気をつけて」
「はい、ありがとうございます」
俺たちは軽くお辞儀をした後、教会をでて動き出した。
なかなかすすまなくてすみません