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街の様子

こっちの更新になります、少し長いです。

 ギルドからでた俺は、一旦ギルドの周りを観察することにした。とはいえ、周りを凝視すると、逆に俺が通報されかねないので、そこに気を配りながら移動し始める。


「まずはメイン通りじゃないほうを行こうかな」


 サンクチュアリのメイン通りは行きで通った感じ、企みごとをするには適してなさそうだ。そういうことをするなら、別の通りだろう。


「アレスさんも言ってたけど、こっちはこっちで賑わっているみたいだな」


 俺が露店通りに着くと、そこにはどこか見慣れた光景があった。ガヤガヤと、様々な人の声が聞こえてくる。


「よっ! 兄ちゃんここは初めてかい?」


 俺が少しの間止まっていると、先ほど酒場で見かけた冒険者の内の一人が話しかけてきた。


「え、えぇそうなんですよ」

「じゃあ色々教えてやるよ!」

「じゃ、じゃあお願いします」

「まぁまぁ、そんな固くなんなよ」


 そういいながらいつの間にか肩を組んできた。名前はケイルといい、階級はBだそう。音楽祭で聞ける、歌がとても好きらしく、毎年開催国に行くほど好きだとか。ちなみに、聞いてないのにこの情報を教えてきた。


「えと、俺はミラトです」

「ミラト……? どっかで聞いたことがある気がするんだけど、まぁ、いっか!」


 そういうと、ケイルは歩き出した。そしてあちこちを指さして教えてくれる。


「あれはここいらでよく取れる果実を使った果実酒だな。 さわやかな香りと、ほんのりとした甘みが女性を中心に人気らしいんだが、俺はあんまり酔えないから好きじゃねぇけどな」

「へぇ」

「んで、あっちがサンクチュアリ名物のうちの一つ、福音焼だな! とはいえ、名前だけでただの焼き物と大差ないんだがな」


 そういいながら、ケイルは指さした福音焼の屋台に向かうと、両手に一つずつ、計二つの福音焼を持って戻ってきた。


「まぁ、食ってみな」

「あ、ありがとうございます。 あの、値段は……?」

「いーよ、いーよ。 大した額でもないしな」


 そういいながら、俺に押し付ける形で一つ渡し、もう一つの方を豪快にかぶりつく。


「うん、まぁまぁだな」

「ハハハ……」


 そんなことを大声でいうケイルとあるいていると、突然ケイルが俺の背中をたたいた。


「な、なんですか?!」

「おい、あれが見えるか?!」


 ケイルが指さす先には、周りの人より一際際立った顔立ちをしている数人の女性が、なにかチラシのようなものを配っていた。


「なんですか、あれ」

「もしかして、音祭り主催国に来るのは初めてか?」

「え、えぇ」

「じゃあこれを機に教えといてやる。 まずあの子たちは今回の音祭りの出演者たちだ。 来訪者の言葉でいうなら、あいどる……だったかな?」

「あいどる……ですか?」

「まぁ、一言でいうなら歌って踊れる人らしいな。 あの子たちは音祭りの本祭一日目に出る人たちで、あーやって現地に来た人に自分たちのことを見てもらうために宣伝しているんだ」

「そうなんですね」

「じゃあ、記念にもらいに行ってみようぜ!」

「え?! ちょ!」


 俺は半ば無理やり連れていかれた。こっちに来る存在に気づいたのか、こちらをみて寄ってきた。


「はじめまして、私ユーミと言います。 よかったらこれをもらってくれませんか?」


 ユーミと名乗る、黒髪を伸ばした女性から、一枚の紙をもらった。 そこには、音祭り本祭一日目のどの時間に、どの場所で何をするかなどが、書かれていた。


「ど、どうも」

「じゃあ私はこれで失礼しますねー」


 そういって、俺たちから離れていった。


「どうだ、かわいいだろ?」

「世間的には可愛いといわれるとおもいますけど」

「なんだー、その言い方」

「俺には婚約者がいるもんで」


 そういいながら左手の薬指を見せる。それをみたケイルは肩をすくめた。


「そりゃ、かてないわ。 ま、時間があれば見てみるのもいいんじゃないか」

「そうですね、考えてみます」


 そういいながら、俺たちは散策をつづけ、一時間ほどで、俺たちはある程度散策が終わった。


「さて、一旦あらかた巡ったんだが、この後どうする?」

「もうちょっとひとりで見てみようと思います」

「そっか、ここでお別れだな!」

「ありがとうございます」


 そういいながら、俺はケイルと離れた。










 ~ケイル視点~


 ミラトと離れた後、俺は路地裏にひっそりとある酒場にはいり、横を通った店員に声をかける。


「注文を」

「はい、お伺いいたします」

「赤の鮮酒と、賑わいの選別を」

「かしこまりました……」


 怪しげにそういうと、店員は音もなく歩き出す。俺は店員についていくように、店の奥に歩いて行った。そこには、暗闇で姿が見えないが、約束していた通り、俺の上司がいた。


「いわれた通り、接触してきましたよ。 でも本当にあんな奴があなた様の脅威になるのですか?」


 そうきくと、暗闇の中にいる方が穏やかな声色で答える。


「えぇ、彼は一度【隠者】殿を退けているのでね。 とあるおバカな貴族を洗脳してはいるのですが、彼はまだ若い。うまくいく確率は四割程度だと考えていた方がいいでしょうね。ですから、念には念を……ですよ」

「あの【隠者】様を?!」

「えぇ、油断は禁物ですよ、ケイル君」

「えぇ、分かりました」

「此度も響かせましょう、滅曲を」

「えぇ、滅曲を」


 俺は目の前にいる方に跪いた。

こっちもなるべく更新できるように、頑張りますので、気長にお待ちいただけるとうれしいです!

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