閑話:とある国でのくりすます
クリスマス当日から数日ほど体調を崩してしまい、公開が遅くなってしまい」大変申し訳ございません。今年のサンタさんからの贈り物は体調不良だったようです。
それと、ちょっと重要なことも少し書いてあります
小鳥の鳴き声がチュンチュンと微かにきこえてくる。その鳴き声で、微かに意識が覚めてきた。
「さ、さむいなぁ……」
私はすこし布団の中から手を出す。冷たい空気に触れた手を反射的に布団の中に戻し、もう片方の手で覆う。
「ほら、起きてください」
私がもう一度眠りに着こうと、ウトウトとしだしたタイミングで、扉があき、一人のシスターが入ってきた。
「ほら、起きてください。 今日は大事な日なのですよ」
「えぇ、まだ寝てていいでしょ~?」
「だ、め、で、す!」
私が布団に潜ると、その布団をシスターに剝ぎ取られた。冷えた空気が体全体に纏わりついて、強制的に意識を覚醒させられる。
「おはようございます、枢機卿様。 お召し物をお変えしましょう」
そういいながら、棒立ちさせられた私の寝間着を脱がしていく。服が脱げていくと、寒さで凍えてしまいそうになる。
「寒いよ、フール」
「少々我慢してください」
「むりぃ~」
「まったく、仕方ないですね」
フールはため息をつくと、近くにあった魔法道具を起動する。すると、心地良い温風が吹く。それから着替えるのは問題なく終わった。
「あ、そうだ。 フール」
「弟様も既に支度は済んでいますよ。 弟様は既に教皇様と朝食の支度をされてます」
「お爺様と?! 私も急がないと!」
「走ると危ないですよ!」
「わかったー! フール、ありがとう!」
私はお礼を言いながら食堂の方まで駆け足で向かう。すれ違う皆さまが挨拶をしてくださるので、返事をしながら移動をする。
「おはようです、お爺様!」
私は扉を開けて大きな声で挨拶をする。中にいたお爺様と弟が返事を返してくれた。
「おはよう、まずは顔を洗ってきたらどうだい?」
「ねぇ様、はしたないですよ」
「わかりましたわ!」
私は洗面所のほうに向かっていき、そこで温水で顔を洗う。顔を上げてタオルで水気を拭くと、鏡に自分の姿が映っていた。澄んだ青空のような両目と、ショートカットに揃えられたプラチナブロンド色の髪の毛が見える。
「よし、もういいかしら!」
私は食堂に戻って行き、お爺様と弟のユウと一緒に朝食を食べる。
「モグモグ、お爺様、モグ、今日は、モグモグ何するの?!」
「ハハハ、ウロ。 食べるか喋るかどちらかにしなさい。ユウを見てみろ」
「姉さん、もう少し落ち着いてくださいよ」
「むぅ~」
「仲がいいことはよいことじゃ。 それで、何をするかじゃったかな?」
「うん!」
「今日は異世界人が伝えたとされる、『くりすます』という日なのじゃ。 わしらは小さな子供たちのためにお菓子のプレゼントをするのじゃよ」
「私も欲しい!」
「はっはっはっ! そういうと思ってちゃんと準備してあるわい。 終わったらちゃんとあげるからの」
「うん、分かった! 私頑張る!」
「期待しているぞ、大罪枢機卿、【虚飾】のウロ?」
「うん!」
「お爺様、僕もその……」
「分かっておるぞ、【憂鬱】のユウ?」
「……うん」
お爺様は、豪快に笑いながら私たちの頭を撫でてくれる。ゴツゴツとした手でありながら、優しい手つきが私は大好き。ユウもニコニコしてて、嬉しそう!
朝食を食べ終わった私たちは片づけをしてから、外に向かって歩き出す。そして正教会の扉を勢いよく開けると、日の光があたしたちを照らす。あまりの眩しさに目を瞑る。遠くから、私を呼ぶ声が聞こえてくる。
「おはようございます、ウィータ様」
「おはよう」
「ご機嫌がよろしいようですが、なにかありましたか?」
「ちょっと、昔の夢を見たの」
「そうでしたか」
「今日は例の日よね? モルスの方は?」
「弟様ももう間もなく支度の方が終わります」
「そう、じゃあ急ぎましょう。 だって今日はくりすますだもの」
私は雲一つない澄んだ空をしている、外を見ながら呟いた。
今回のクリスマス閑話は、現在進行中の聖教国の教皇、ウィータとモルスの過去についてお書きしました。
二人の過去の肩書などについてはまた別の話で触れていこうと思っていますので、お待ちください。もし気になる場合はコメントしてくださればここに書き足します!