長期休み明け
新章開始になります!とはいえ、まずは日常シーンからです!
色々なことがあった長期休みが終わった。俺たちは久しぶりに学園の制服に袖を通している。長期休みの初日に制服専門の洗濯屋に依頼しておいたからか、俺たちの制服はまるで新品同様に汚れどころかシワ一つ見当たらない。
「なんか、懐かしい感じがするね」
「ですね」
「キュ!」
「じゃあ行こうか」
「はい!」
「キュ!」
「あ、ミロはお留守番だからね?」
「キュ?!」
「ごめんね、ミロちゃんいい子に待っててね」
「キュ〜……」
しょんぼりとするミロをリリーと二人で苦笑いしながら、俺は移り鏡で王都に転移する。なぜ学園に転移しないのかというと、気分だ。
「じゃあ行こうか、リリー」
「はい!」
俺とリリーは歩き出す。街の人たちも今日から学園が始まることを知っているようで、あちこちから声をかけてもらえる。
「よ、にいちゃん頑張れよ!」
「ありがとうございます!」
「お嬢ちゃん、今日も綺麗だね〜!」
「あ、ありがとうございます……」
「どうだ兄ちゃん、一杯持ってくか?」
「いいんですか?」
「おうよ! いつも贔屓にしてくれてるお返しみたいなもんさ」
「では遠慮なく」
「ほら、嬢ちゃんも」
「ではありがたくいただきます」
俺たちは屋台の男性からもらった、果実水を飲みながら歩き続ける。すると後ろから久しぶりに聴く声が聞こえてきた。
「久しぶりっす! ミラト! リリーシャさん!」
「二人とも、久しぶりね」
「レオ! アリーシア! 久しぶりだね」
「お久しぶりです。 レオさん、アリーシアさん」
そこにはニカッと笑うレオと、髪を綺麗に束ねたアリーシアの姿があった。
「レオ、焼けたね」
「親父の手伝いでほとんど炉の前にいたからね!」
「アリーシアさん、今日の髪型とても素敵ですね」
「うちの母が、新学期だからって言って聞かなくてね……朝から気合いいっぱいで大変だったわ」
「アハハ……」
「せっかくだし二人も一緒に学園に行かないか?」
「もちろんっす!」
「えぇ、いいわよ」
「じゃ、行こうか」
「えぇ、長期休みで何があったか、根掘り葉掘り聞かせてもらうわね」
「ハハ……お手柔らかに頼むよ」
俺たちは四人で他愛もない話をしながら、学園に向かった。
「ふむ、遅かったな」
「久しいな、四人とも」
「お久しぶりですね、みなさん。 ご機嫌いかがですか?」
「久しぶり、みんな」
「みんな、元気だった?」
「ひ、久しぶりだねみんな」
教室に入ると、すでに中にはシンラ、ガネス、レナ、ミラとミナにシオルがいた。みんなと会うのは久しぶりで、俺たち四人もすぐにみんながいるところに向かい、すぐにみんなと話し込んでしまった。
「おーい、そろそろお前ら席に着けよー?」
いつの間にか時間が過ぎ、アレックス先生が話し込んでいる俺たちを席に座らせた。