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おまけ:メアとファナの旅10

今回のおまけはこれで終わりになります!

 王都を出てから三か月ほど経った。いかんせん長時間大きな町に滞在をしていないため、正確な日付が分からなくなっている。だが、そんなことはこの際どうでもいい。


「ファナ、あとどのぐらい……?」

「うーん、もう数日といったところかしらぁ~?」

「じゃあ……がんばる……」


 私たちは水分補給をして、少しした後にまた歩き出した。そして日が落ち、辺りが暗闇に包まれたので、私たちは小さな池のほとりで野営をすることにした。


「ふぅ……あと、数日……」


 私は静かに揺れている池の水をみつめながら呟いた。すると野営用のテントから、寝間着姿のファナが現れた。その手には、昼頃に助けた商人からもらった、直近の周辺国家でおきた出来事が書かれている一枚の紙を持っている。


「メア、あなたもよむ~?」

「ファナ……うん、ありがとう……」

「じゃあ私はもう先に寝とくから、火の番を頼むわねぇ~」

「うん、わかった……」


 ファナが野営用のテントに入ったことを確認してから、私はパチパチと音を立てている火の近くに横たわらせた丸太に腰を掛ける。ファナから受け取った紙が燃えないように配慮しながら、火の明かりを頼りに書かれている内容を読みだす。


「迷宮都市で黄金の木々が突如暴れだす。 それを……鏡魔術師のミラトが相方の銀郎族の少女と共に撃退。 死者数ゼロ人という素晴らしい活躍を見せる」


 見出しにはそう大々的に書かれていた。その後、見出しより小さな文字で書かれた内容を読み進めていく。


「……復興作業中、鏡魔術師の相方に恋心を伝える若者がいたが、鏡魔術師本人が婚約指を見せつけて、その後仲睦まじい姿を見せつけた。……見出しと関係ない……」


 私は紙を読むのを一度やめる。確かにミラトのような存在の恋事情はみんな気になっているのだろう。


「……わざわざ書かなくていいのに……」


 心の内側がモヤっとする。その思いを私は見出しと内容が違う不満からきてると結論付けて、考えるのを放棄する。


「あと、数日で聖教国に着く……」


 今から楽しみで仕方ない。私は、ファナと火の番が変わるまでの間、ミラトとあったら何の話をしようか考えて過ごした。


 そして十日ほどあるいたあと、ついに私たちの目の前には聖教国の門があった。音祭が近いため、長蛇の列ができていたが、階級Sの特権により、スムーズに中に入ることが出来た。


「ここが……聖教国……」

「まずは宿をとるわよぉ~」

「あ……うん……」


 私たちは、聖教国で宿を探し始めた。今から、ミラトと再会したらなにを話そうか楽しみで仕方ない。

次から新たな章、音楽国際交流編に入ります!個人的に転換期の一つになると思っている章なのでご期待してくれるとうれしいです!

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