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反撃

更新になります。

「炎が有効なようだし、一旦雪月花はやめておくか」


 俺は雪月花を鞘に戻した。そして鏡の世界(ミラーワールド)から新たな武器を取り出す。


「まずは質より量、こいつの出番かな」


 俺が取り出したのは一本のレイピアだ。刀身の長さはせいぜい1メートルほど。鍔や柄などの装飾は芸術品のように繊細なだけでなく、絶妙な絡み方をして、持っている手を守るようになっている。


「さぁて、行こうか」


 ヒュンヒュンと、軽く振るだけで心地のいい風切り音が響く。俺はさらに、重力魔法を使って自分の体を宙に浮かべた。


「今度はどのように、踊ってくださるのですか?」


 俺に対してそう問いかけてくるアザレア。先ほどのこともあり、最初よりも警戒の色が窺える。


「踊るというよりは、()()()かな?」

「何を言ってるのか、わかりませんわ」

「まぁ、見てればわかるよ」

「じゃあ、お見せくださいな?」


 そういうと同時に、アザレアの後ろから蔓がまるで触手のように、うねりながら襲ってくる。その蔓を手に持っているレイピアで突いた。それだけで、()()()()()()()


「な?!」

「まずは静かにしないとね」


 その後、俺は微量の魔力を流した。それだけで、刀身から魔力のこもった、衝撃を伴う()()が蔓に向かって放たれる。音波にあたった蔓は、触れた瞬間に触れた箇所から炭化し出した。


「それはまさか、神器、ですか?」

「そうだよ。 神器【調律細剣(タクト)】、これがこの神器の名前」


 俺は軽く、タクトを振る。ヒュンという風切り音が鳴った。


「なら、こちらはどうなさいますか? 花魔法【(この苦し)(みを貴方)(はきっと)(知り得ない)!】」


 リリーの時よりも広範囲に散らばった黄色い花が襲ってくる。俺の視界は黄色い花で埋め尽くされて、奥にいるアザレアの姿を目視できなくなった。


「意味ないよ」


 俺はタクトに炎の魔力を込めながら自身の前方を指し示すように振るった。その直後に、タクトの先端からは音波が発生し、襲いかかってくる花を炎上に消滅させる。


「まだまだですわ!」


 アザレアがそう発すると同時に、百はありそうな蔓が四方から襲ってくる。


「この数は、どうなさいますか?」

「言ったでしょ? ()()()って」


 そう言いながら、俺はタクトの能力を発動する。この神器が持つ能力は主に二つ。

 一つは先ほどの攻撃を止めた能力、【消音(ゼロ・サウンド)】。そして、もう一つが、


「【調律(サウンド・コマンダー)】」


 俺が能力を発動させた瞬間、俺の周りを取り囲むように三十個の魔力によって生成されたタクトの模倣品が現れた。模倣品といっても、細部がわずかに違っている。模倣されたタクトは、俺が持っているタクトを(ふる)うと、それに従うように、刀身の先端が襲い来る蔓の方に向いた。

 俺は魔力を込めながら、一つの模倣タクトを指揮をするように指した。すると、指されたタクトの先端から、俺の持つタクトに込められた魔力と同じ属性の音波が()()()()()()()()


「なっ?!」


 驚くアザレアをよそに、俺は別の模倣タクトを同じように指した。すると、今度は音波が()()()()()()()()()

 俺はその後も、同じようにタクトを揮った。その度に指された模倣タクトは、音波による攻撃で襲いかかってくる蔓を消滅させていく。

 そして数分もしないうちに、アザレアが出した蔓は完全に消滅した。



神器調律細剣(タクト)

芸術品のような装飾の施されたレイピア

魔力を込めることで剣先から魔力を伴う音波を放つ。この時、属性が込められていた場合、その属性の性質を持つ。込めた魔力量で音波の伝達範囲が決まる


スキル

消音ゼロ・サウンド

魔力を持つ、動いてる物体を停止させる。(騒音の根源を止めるという認識)

留めてる間、魔力は消費し続ける


調律(サウンド・コマンダー)

自らの模倣品を30個まで作れる。それぞれに音階が割り振られ、音が上がるほど即発性に優れ、音階が下がるほど威力が高い。


模倣品は自体で攻撃することはできず、一度でも攻撃を食らうと破壊される。音による攻撃は本体と同じ仕様。


本体を指揮棒のように振るい、音を出す模倣品に本体から魔力を伝達することで音撃がでる

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