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知らない感情

今回、アザレア視点で進みます。曇らせを初めて書くので、できてるか不安になりますので、よかったら感想でどう感じたか教えてください。

 地下での戦闘は、一言で言うなら【壮絶】の一言に尽きると思う。少なくとも、私が生きてきた間で、あの戦闘以上のものと、命の危機を感じたことは無かった。それほどまでに死というものが近く、人の醜さを見た。


「ミ、ミラトさん、せめて止血だけでも……」

「っ! い、いや、大丈夫だよ……」


 私を命懸けで守ってくれて、私のせいで傷を負ったのに、それでもミラトさんは頑なに治療を拒み続ける。力があると思い込んで、立ち上がったのに何もできなくて、脅威が去った途端にその力を振りかざし、恩人を傷つけた。そんな私が、今思うと情けなさが溢れてくる。


「そ、そろそろ上に戻れるよ、アザレアちゃん」

「あ、は、はい……」


 ミラトさんの魔法で家の一階に私たちは戻ってきた。私たちが隠れ家の一階に戻ると、すぐにドアが開き、ドアからはリリーシャさんが入ってきた。


「ミラト様!」

「リリー!」


 リリーシャさんはミラトさんを見つけると、すぐに駆け寄った。ミラトさんも嬉しそうな声をあげながら、駆け寄ってきたリリーシャさんを抱き寄せた。


「無事だったかい?! 怪我はない?」

「なぜか、途中で引いていきました。 幸いなことに怪我はしてません」

「そっか、なら良かった」

「それよりも、ミラト様の怪我はどうしたんですか?! ひどくボロボロじゃないですか?!」

「っ……!」


 ズキリと、リリーシャさんの発言が私に刺さる。こうなったのは私のせいだ。

 私があの時、醜い感情に従ったせいだ。でも、私がやったと言えば、きっとリリーシャさんの抱えている心配は、私に対する敵意に変わるかも知れない……。

 そんなことしない人だということは知ってる。でも……でも、ほんの少しだけ不安が残る。そして私は、それが………





















 堪らなく……怖い。





















「相手が強かったんだ」


 ミラトさんは私を一瞬見たあと、そういった。


「そうだったんですね、早く治療を……」

「うん、後でするよ。 先にここから離れないとね」


 ミラトさんはすぐに話を変えた。ミラトさんは優しい。いや、優しすぎる。私は無傷なのに、ミラトさんは私を庇った上で、私のせいで全身ボロボロ……そうなってまで、私を守ってくれた。

 そんなミラトさんに、私は何もできていない。何も返せていない。私、何しているんだろう……。何が、したかったんだろう……。


「じゃあリリー、行こうか」

「はい!」

「アザレアちゃん、いこ?」


 俯いた顔を上げた先では、ミラトさんが鏡を出している。そして右手で、リリーシャさんの左手を握っている。私は、その手を握れなかった。


「いいなぁ」


 私はあの人と、あの関係にはなれないんだと思った途端、なぜかその一言が口から溢れた。それと同時に、私の中で、モゴッと何かが蠢いた……そんな気がした。


ここから本格的に今回の章が進みます。


あと、言っておきますが、今回の途中に出てくる大量の空白は決して、けっっっっして文字稼ぎではありません!!そういう書き方です!勘違いしないでください!!お願いします!!

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