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閑話:迷宮都市でのクリスマス

遅くなりました、閑話更新です。


それと今年はクリスマス短編はなしです。すみません。代わりと言ってはなんですが、もうそろそろありがたいことに100万PV行きそうなので、その際には記念短編を挙げさせていただくつもりです。動画ご理解の程お願いします。

「いやぁ、寒いねリリー」

「そうですね、ミラト様」


 迷宮から出て来た俺達はあまりの寒さに震えていた。


「あれ、なんかやってるのかな?」


 俺達は換金してもらうために、ギルドの換金所に向かっていた。するとその近くで何人かの冒険者と、その冒険者の周りに数人の子供が集まっていた。


「換金のご依頼ですか?」

「はい、これお願いします」

「お預かりします。 少々お待ち下さい」


 受付の男性と事務的なやり取りをし、査定結果が出るまで俺達は近くの席に座り、スープを頼んで待った。


「ふぅ、温まりますね」

「そうだね」

「ところであれは何をしているのでしょうか?」

「うーん、なんとなく予想はつくけど一応彼らに聞いてみるよ」


 俺は子どもたちが冒険者の周りにいないタイミングを見計らって、話しかけた。


「ちょっといいかな?」

「はい? って、あのミラトさん?!」

「え、そんなに驚く?」

「驚きますよそりゃ!」

「そ、そっか……」

「それで、ど、どうしました?」

「ん? あぁ、君たちが何をしているかちょっと気になって聞きに来たんだ」

「あぁ、これですか。これは予想ついてるとは思いますが異世界人の文化の一つ、くりすますと言うものですね。 詳しいことは分かりませんが、どうやら子供にプレゼントを上げるイベントだとか」

「そうなのか」

「ミラト様、査定が終わったようですよ」

「お、思ったより早かったな。 教えてくれてありがとな」


 俺はそう言いながら話を聞かせてくれば冒険者に銀貨一枚を手渡した。


「いやいや、こんぐらいいいぜ?! 受け取れないぜ!」

「聞こえないなー」


 俺はその場を離れて査定所に向かった。査定された近国を受け取ったあと俺は少し考えた。


「どうしました? ミラト様」

「んー、ケーキでも買いに行く?」

「ケーキですか?! 食べたいです!」

「ハハ、じゃあ行こうか」

「はい!」


 俺はお金をしまいながら、リリーの手を引いてケーキを買いに行った。










「こんなにいいんですか?!」

「まぁ特別だよ?」


 俺はケーキを十個ほどかって、帰路を歩いていた。横を歩くリリーはブンブンと激しく尻尾を振っている。相当舞い上がってるようだ。


「あ、少し寄り道していい?」

「分かりました」


 俺はリリーの返事を聞いてから移り鏡でとある場所に転移した。








「俺だけど、いる?」


 俺は眼の前の扉を軽くノックしながら声をかけた。ドタドタと走る音がすぐにして、数秒も経てば扉が開いた。


「どうなさいましたか? ミ、ミラト様」

「夜遅くにごめんねアザレアちゃん。 これ、プレゼントだよ」

「これは、ケーキ……ですか?」


 俺は先程買ったケーキをアザレアに手渡した。俺が手渡したケーキはとても人気店らしく、アザレアは驚いていた。


「どうせなら、お邪魔してもいいかな?」

「私は構いませんが……リリーシャ様は……?」

「私も構いませんよ?」

「じゃあそういうことだしお邪魔するね」


 俺達はアザレアの家にお邪魔をし、ケーキを食べだした。


「あ、外」


 俺がそう言い、二人が窓に目を向けた。


「雪……ですね」

「綺麗ですね」


 ひらひらと落ちる雪に二人が視線を釘付けにされている間に俺は移り鏡で二人の足元に小さな箱を送り込んだ。


「メリークリスマス……なんてね」

「なにか言いましたか?」

「ううん、なにも」


 足元のプレゼントに二人が気づくのは数分ほどあとだった。


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