秘密と白銀魔法
リリーシャがほぼメインみたいなものです。
リリーはあれから数分ほど泣いた。泣き終わった彼女はとてもすっきりとした顔をしていた。
「す、すみません……ご迷惑をおかけしました」
と、とても申し訳なさそうにしている。なんかもの壊した時の小動物みたいで和む。
「気にしなくていいって」
「では……改めて自己紹介をさせてもらいますね。私は銀狼族のリリーシャ、年齢は16と、なります。得意魔法は……」
「称号、【銀姫】により、固有魔法でありながら葬り去られた魔法の一つ、【白銀魔法】あとは氷魔法に風魔法……でしょ?」
と、ちょうどいいところで割り込む。案の定リリーはとても驚いていた。
「その顔は何で分かったの?と言いたげな顔だね?」
「はい。まだお話ししてはないはずですが……」
「この鏡、【映し鏡】というもので、ステータスや真実を映すことができるんだ」
「確か転移なさるときも鏡をお使いになられていたと記憶しますがミラト様は一体何者なんですか?」
と、ほぼ確信したような顔で聞いてきた。
「リリーも予想はついてるんじゃない?僕……いや、俺は鏡魔術師。伝説職業をさせてもらっているよ」
と、名乗る。なんか……四皇帝とかは名乗るのが恥ずかしくて無理でした。
「ほ、本当に……鏡魔術師なんですか……?」
「うん、そうだよ。あ、ギルドカード見る?」
「は、拝借します……」
と、恐る恐る俺からギルドカードを受け取るとそ~っと、ギルドカードを、表にした。そして数秒後、
「ぴゃ!」
と、変な声を出しながらギルドカードの文字を読んだ。
その後何度もギルドカードを、みたり、俺を見たりを繰り返してた。なんか……和む。
「お、お返し……します……」
と、声が若干ふるえてるような気がした。
「あ~なんか……委縮させちゃった?」
と、きくと、食い気味に、
「い、いいえ!そうではなくてですね……あの~なんていうか……伝説上の職業の持ち主と会えてですね……興奮と感動と疑惑が混ざった何とも言えない状態なんです」
と、きらきらとした目で言われた。うん、きっと疑惑の割合は二割とかだと思う。
「まぁ、俺の事は置いといて……今、【白銀魔法】はどれぐらい使える?」
「はぁ~私のご主人様は鏡魔術師のお方……はぁ~」
「あーえっと、リリー?」
あ、ダメだ。なんかトリップしてる。
俺はリリーに近づくとブンブンと揺れている尻尾をつかむと、もふもふとした。
「ひやぁ! あ、あれ? ミラト様、どうなされました?」
と、ようやく現実に戻ってきた様子のリリーさん。もう一度、同じ質問をすることにした。
「えっとな、【白銀魔法】は今、どれだけ使える?」
今度はちゃんと返事があった。
「あ、はい。今は恥ずかしながら【白銀の園】しか使えません」
【白銀の園】は、白銀魔法の基本魔法で一定の範囲を白銀の花園に変化させる。そしてその白銀はすべてが思い通りに動く、展開型の魔法と言える。
そもそも葬り去られた魔法は、使用者はもちろん、文献にすら、残ってないことが多く、ほぼセンスのみで習得しなければならない。逆によく【白銀の園】が使えるようになったと思う。
俺? もちろん全部再現できますが? いや、ほんともうメシアさん何者なんだよ。や、鏡魔術師なんだろうけど、そういう意味じゃなくて……
「? どうかなさいました?」
と、擬音ならコテン?というのがふさわしい様子で問いかけてきた。
「な、何でもないよ。じゃあ、適当なところで【白銀魔法】を、見せてもらおうかな」
と、俺はそこそこの強さを持つ敵がいるところに向かって【移り鏡】を開いた。
リリーシャ、まじめ性格でヒロインの一人です。
今後もよろしくおねがいします!