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偽領主

お久しぶりです。この章の本編開始です。すみません本当に。


後、後書きに少しご報告があります!


「これは一体何の騒ぎだ?!」


 偉そうに男は声を荒げた。そして周囲を見渡して、地面に転がっている冒険者を見つけてから、近くにいる俺を見つけて俺に向かって指を指してきた。


「貴様か、これをやったのは?!」

「そうだけど……何か問題でも?」

「サ、サマリ様……こ、こやつらが、れ、例の奴ら……です」


 それだけ言って冒険者は意識を失った。


「貴様、覚悟はできているんだろうな?」

「何の覚悟?」

「貴様、私に刃向かってタダで済むと思うなよ?」


 サマリは豪華な服の内ポケットからベルを取り出すと、それをチリンと鳴らした。その瞬間、足元から見えない手のようなものが数本現れて俺に掴み掛かってきた。


「これは……?」

「フッフッフッ、これは魔法道具マジックアイテムで、亡者の鈴というアイテムだ。これを鳴らすと、指定した相手をその場に留めるというアイテムだ。そして、抵抗力の弱い者は生命力を吸われて死していくのだよ」


 持ち前のアイテムが決まり、自慢げに語るサマリ。俺は絡みついている腕を軽くみてから、肩にあるゴミを払うかのようにその腕を払った。

 それだけで絡み付いていた腕は跡形もなく姿を消した。


「なっ?!」

「それで、もう満足? じゃあ行っていい?」


 俺たちはサマリを無視して歩き出そうとした。


「ま、待て! 貴様、このサマリのいうことが聞けんというのか?!」

「何で聞く必要があるの?」

「わ、私は貴族だぞ?!」

「うん、知ってる。 それで?」

「なっ……?!」


 貴族であると言われて尚、俺は態度を変えなかった。それがサマリのプライドを刺激したらしい。ワナワナと震えながら、サマリは腰に下げてあった剣を抜いて斬りかかってきた。


「貴族たるこの私に対するこの仕打ち、覚悟しろぉ!」

「はぁ……」


 斬りかかってくるサマリだが、とても遅い。俺はゆっくりと近づいてきているサマリの剣を指で掴み、そのまま振り解いた。それだけでサマリは吹き飛ばされ地面に体を強打した。


「貴様……私に怪我をさせたな?」

「は?」

「貴族であるこの私に怪我をさせたのだ! そしてこの街は我々一族が直々に裁くことができる法が存在する! 貴様はもう終わりだ!」


 高らかにそう声を上げた。そしていやらしい視線をリリーに向けながら発言してきた。


「私を怪我させたことにより、お前は奴隷堕ち、そして後ろにいる獣人は私の物にする! これは命令だ!」


 俺とリリーは顔を見合わせてから、肩をすくめた。


「断る」

「無駄だ! 貴族である私の決定は絶対だ!」


 俺はサマリにしか見えないようにギルドカードを見せた。


「だから、断る」

「な、な、な、……う、嘘だ! そ、そんな馬鹿なこ、事があってたまるか?!」

「知らないの? この前領主全員に国王から通達が行ったはずなんだけどな……」

「そ、そ、そんな! わ、私は知らないぞ!」

「おかしいな? あ!」


 俺はわざとらしく声を上げた後、サマリにしか聞こえない声で話した。


「本物の領主じゃないから、通達がいかなかったのかな?」

「なっ?! 貴様、それをどこで聞いて……」


 俺は驚愕しているサマリから離れて、待機していたリリーの元に戻った。


「とりあえず、俺たちはあんたに従う必要も義務もないから。 それと、ちゃんと言いたいことがあるならしっかりとした手順を踏んでからにしてね」


 そう言って俺たちはその場を去った。

もうお気づきの方もいるかもしれませんが、本作二つ目のレビューをいただきました!✨


書いてくれたのは弟弟子の単細胞君です。この作品の投稿後、活動報告の方も更新して行きますので、よければそちらもご覧ください!

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