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攻撃魔法の使えなかった鏡魔法使いは伝説のジョブ【鏡魔術師】となったので、のんびりと自由気ままに生きていきます!  作者: 鏡花
大国 ネイシス

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リリーシャ2

今日二話目です。

「本来奴隷とはこのような待遇はあり得ません! はっきり言っておかしいです!」

 と、リリーシャに言われてしまった。え?これが普通じゃないの?


「そもそもこんな上質な服に高価な武器など奴隷に与えてしまっては、奴隷が死んだ場合回収できなくなるじゃないですか!」

「や、そもそも肉壁とかにするつもりはないから。うん、普通にもったいなくない?」


 と、断言しておく。そんな非人道的な事なんてするはずないし。

 ネロ達のこと? あぁ、あれは俺、人として見て無いからセーフ。


「なぜ……なぜ……このようなことをしてくださるのか……私には理解しかねます……」

 と、俯きだした。


「えっと、まずリリーシャ」

「リリーと、およびください」

「じゃあ、リリー。なんで君は奴隷になんかなったんだい?」


 そもそもの疑問だったのだがなぜこんなに目麗しい子が奴隷落ちなんてしたのだろうか。


「……私たちの村は獣人とヒューマンが、一緒に暮らしてました。村の人たちは獣人の私にもとてもよくしてくれました」


 と、語りだした。


「私の母と父も獣人で、旅人をしていました。そして私を身ごもったときに私の故郷の村に永住するようになりました。私の両親は階級Aの冒険者だったので、よく住まわせているお礼に近辺の魔物狩りをしていました」


「でもある日、私の両親は村を襲ってきた炎狼を引き留めるべく戦いに赴きました」


 炎狼……討伐推奨レベルSを超える非常に強力な魔物だ。狼本来の機動力に炎の加速力をもち、その速さは飛竜(ワイバーン)にも匹敵するとか。さらに、高い知恵を持ち、からめ手を使ってくることもある。

 昔、ある大規模クランが炎狼一匹に全滅させられたという話も残っている。そんな魔物が村に来たら絶望だろう。


「果敢にも私の両親は戦いに挑み、何とか傷をつけることができたそうで炎狼は森の奥に消えていきました。しかし炎狼につけられた傷は切り口から激しく焼け焦げ、治療を行ったものの次の日には帰らぬ人となりました」


「それは……」

 きっととても辛かったのだろう。俺も目の前で母親を亡くしたからよくわかる。


「そして親を失った私を村の人々は慰めるかのように接してくれました」

「じゃあなんで……身売りなんて……」


「炎狼の名残です」

 と、彼女は悲しそうにそういった。


「炎狼は多くの炎をまき散らしました。その炎のせいで村の畑は荒れ地のように焼けこげ、とても農業ができるような状態ではありませんでした。何とか残った畑で頑張っていたもののついに飢饉が起きました」


「私は何とか魔物を狩ったりしていましたがそんなことでは賄いきれなくなり……」

「その時であったディエナさんに自らを売った」

「はい……その通りです」


 そうか……苦渋の決断の末、自らを売ったのか。この年でそんなことを経験するなんてかわいそうに。


「あ、あの、ミラト様?!」

 気づいたら俺はリリーを、抱きしめていた。彼女の全てを受け止めるように……


「辛かったんだな……でももう我慢しなくていい……君は必ず死なせないからな」

「こんな私がここにいて……よいのですか……?」

「君の居場所はここなんだ。いていいに決まっているじゃないか」

「うっ……うっ……」


 と、リリーは泣き出した。

 あの時の母さんも同じ気持ちだったのかなぁ……そんなことを思いながら彼女が泣き止むまで俺はリリーの頭をなで続けた。


泣く表現のいい表現方法がわかりません!何かあったら教えてください!

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