死王
えー。お久しぶりです。テストなどが被り、更新できなかったのが七月なのですが、八月の今の今までなぁなぁで過ごしてしまいました。すみません。
またゆっくりと書いていきますので、よろしくお願いします。後今回の後書きも多いです。
「さてと、どうするかな……」
俺は襲ってくるスケルトンたちを切り伏せながら呟いた。グリフを倒さないとスケルトンたちは際限なく湧いてくる。だが、グリフに近づくにはスケルトンたちをどうにかしないといけない。普通に考えたら、かなり難易度が高い。
「仕方ない。 手荒な真似にはなるが、こうするか」
俺は跳躍し、一度距離をとった。
「惡象魔法【堕落する飾り被り物】」
俺の放った魔法により、スケルトンたちはまるで下に引っ張られたかのように地に伏した。俺は続けて魔法を放つ。
「惡象魔法【水有其故我有】」
俺が魔法を唱えると、空気中の水分が集まり出した。集まった水分は、俺が手を軽く振るうと、その姿を無数の針のように変化させた。そのまま、水の針は針はスケルトンたちの手足を器用に貫いた。
「さて、どうする?」
「アァァ……」
グリフはまるで嫌がるような声をあげた。どうやら召喚回数は制限ないものの、召喚する対象には制限があるようだ。大方、倒されたスケルトンたちを再召喚していたのだろう。
「これで、一騎打ちだな」
俺は雪月花をグリフに向けた。
「アァァァァア!」
グリフは複数の魔法を連続で放ってきた。俺は雪月花で切り裂きながら近づいていく。そして近づいた俺は雪月花でグリフの片腕を切り落とした。
「アァァ!」
「おっと、危ない」
グリフは腕を切り落とされて怒ったのか、手に持っていた錫杖で無造作に殴りかかってきた。俺は雪月花でいなしながら、後ろに跳躍して一旦距離を取った。
「痛みは感じなくても、怒りは感じるってか」
俺が距離をとった間にグリフの切られた腕は徐々に再生している。
「まずいな、早めにけりをつけないと……」
俺は雪月花を一度鞘にしまい、抜刀の構えをとった。
「刀術【露斬】」
横薙ぎに抜刀された雪月花の刃は俺めがけて放たれた魔法を、まるで朝露を払うかの如く、難なく切り裂いた。そのまま俺はグリフに近づいた。
そのまま上段で切り掛かった。先ほどの小手調べとは比べ物にならない威力だったのだが……
「まじかよ……」
雪月花はグリフの持っていた錫杖に防がれた。俺は一度距離を取り、錫杖に対して映し鏡を使った。
魔錫 浄魂集い之錫杖・レプリカ
レスシティカ王国に伝わる神器を再現しようとして生まれた錫杖。本物には劣るものの、凄まじい強度と似通った能力を有している。
「なるほどね、それは厄介だ」
どうやらあの魔錫も相当に厄介なものらしい。さて、どうするか……。
「アァァァァア!」
「おいおい、それはまずいだろ……」
俺が攻めあぐねていると、グリフはこちらの番だと言わんばかりに強力な魔法を使い出した。グリフの頭上には蒼い炎でできた飛竜の姿がある。
「あれは、炎魔法【蒼炎竜】かな? まずいな、こんな狭い空間で……」
「アァァ……」
グリフは蒼炎竜を俺に向かって放ってきた。
「リリー!」
「は、はい?!」
俺はリリーの方に近づきながら、リリーの名前を呼んだ。返事したリリーはすぐに魔法を解除し、俺の方に近づいてきた。リリーが俺に近づいてきたのを確認すると、使用していたすべての魔法を解除し、結界魔法を使用した。
「結界魔法【断魔結界】!」
俺が結界魔法を展開した次の瞬間、蒼炎竜が放たれた。
惡象魔法 堕落する飾り被り物
自分より魔力の少ないもの、もしくは魔力を持たないものを地に伏せさせる魔法。まるで重い被り物を被せられたかのように伏せさせる。
惡象魔法 水有其故我有
自分の周囲にある水分を自由に操ることができる魔法。操れる時間や量、形状などは練度に比例する。長時間使用し続けると溺死してしまう。
刀術 露斬
朝露を払うように、体の力を抜いて流れるように抜刀する技。
魔錫 浄魂集い之錫杖・レプリカ
レスシティカにあった神器浄魂集い之錫杖を真似て作られた錫杖。姿形は本物と遜色ないが、その能力は本物には遠く及ばない。
【集いし力】
配下の力を一部借り受けることができる。力は登録制で、五人まで錫杖に登録でき、登録した力を借り受けることができる。
【集いし魔】
配下の魔法を一部借り受けることができる。【集いし力】と同じシステムで、魔法を借り受けることができる。
炎魔法 蒼炎竜
蒼くなるほどの高温の炎を飛竜の姿にさせ、相手にぶつける魔法。
結界魔法 断魔結界
結界魔法の中でも、対魔法に対して効果を発揮する結界。その代わり、物理攻撃にはめっぽう弱くなっている。




