階層主
次の日、俺たちは朝早くからギルドに向かい、迷宮に入っていた。
「さてリリー。 今回はまず十階層のボス討伐と、その下の階を進めるだけ進めちゃおう」
「はい、分かりました!」
「じゃあまず十階層のボスはサクッと終わらそう」
俺たちは九階層を魔物を楽々と倒しながら、下の階に通じる階段を探した。そして十数分後にはその階段を見つけることができた。
「じゃあ行こうか」
「はい!」
俺とリリーは階段を下り、十階層へと向かった。
俺たちが足を踏み入れた十階層はものすごく広い一室となっていた。道は目の前に見える一室以外通じてはおらず、その部屋の奥には下に通じている階段が見えている。そしてその部屋の中央には階層主が佇んでいる。
「あれがこの階層の階層主……」
「小鬼王を見るのは初めて?」
「実は……」
「大丈夫、いつも通り行けば問題なく勝てるよ」
「は、はい!」
今回の階層主はゴブリンキングだった。写し鏡にはこのようにステータスが写っている。
名前:無し
レベル:25
性別:オス
種族:小鬼王
スキル
再生
支配
剣術
となっている。強力なスキルや称号がないのであまり強い部類には入らないであろう。俺は雪月花を抜きながら階層主のいる部屋の中に入っていった。俺に続くようにリリーも部屋の中に入っていった。
「グルガァァァァア!」
まるで部屋に入ってきた俺たちを威圧するかのようにゴブリンキングは咆えた。するとゴブリンキングの周りに突如として数匹のゴブリンが現れた。ゴブリンキングは石を削ったような大剣を俺たちに向けた。すると数匹のゴブリンが俺たちに向かって走り出した。
「スキルの支配ですかね?」
「だろうね……まぁ、関係ないんだけど」
俺は走ってくるゴブリン達に合わせるように雪月花を横に一閃した。それだけで数匹のゴブリンは頭と胴が離れ、跡形も無く消滅した。
「グルゥ?!」
「リリー、やっちゃって」
「分かりました」
驚いているゴブリンキングを気に留めず、リリーは走り出した。【対の双剣 撃】を逆手に持ち、ゴブリンキングの右肩から袈裟斬りにした。それだけでゴブリンキングは断末魔をあげる暇もなく、消滅した。
「じゃあ次行こうか」
「そうですね」
俺はゴブリンキングの魔石を拾った後、部屋の奥にある階段をリリーと一緒に下っていった。
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