認知
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俺達はワミツさんが貸し切りビーチを運営している人に連絡を取っている間、言われた通りエントランスで待つことにした。
「どんな所か気になるねリリー」
「ですね」
「初めてだから、いい思い出にしようね」
「はい、ありがとうございます!」
そんな話を数分ほど雑談していると、近くの席に五人ほどパーティーと思われる青年たちが座ってきて、話しかけてきた。
「少しお話よろしいですか?」
「どうしましたか?」
「実は先ほどのあれを遠巻きにですが見ていまして……興味を持ったので」
と、リーダーと思われる青年が俺に話しかけてきた。別に断る理由も特にないし、待っている間特にすることもないので彼らと話すことにした。
「なるほど。 では飲み物でも飲みながら話しましょうか」
俺は近くを通ったギルドの職員に手を上げて、呼び寄せた。
「いかがなさいました?」
「果実酒を二つと……あなた方は何を飲みます?」
「じゃあ俺たちはビールを五つで」
「それと、つまみを適当に何個か」
「承知しました。 では、ギルドカードをお持ちでしたらお見せください」
それを聞くと、彼らが自分たちのギルドカードとお金を取り出して支払おうとした。色を見るからに階級Bだろう。それを俺は制止すると、自分のギルドカードを取り出した。
「これでいいですか? あと、彼らの分も会計は同じでお願いします」
俺はギルドカードを職員と白金貨を一枚手渡した。ギルド職員はギルドカードを受け取った瞬間、大きな声を出した。
「オ、オリハルコン製のギルドカード?! って、ことは……鏡魔術師様?!」
「あんまり大きな声で言わないでくれると助かるんだが……」
「し、失礼しました! すぐにご用意いたします!」
ギルドの職員があまりにも大声で喋ったのでギルド中に響いてしまい、一瞬ギルドがシーンとした。そして次の瞬間、
「「「「「「「「「「えぇーーーー?!」」」」」」」」」」
「え、その、あの、鏡魔術師様……なんですか?」
俺達に話しかけてきた彼らが、質問してきた。周りの人も気になっているのか、先ほどの大声の後とは思えないほど、静まり返っていた。俺は逃げれないと悟って、正直に話した。
「えぇ、確かにそうですよ」
俺がそう答えると、一瞬の静寂の後に大歓声が響き渡りだした。うるさすぎて、俺たちは顔を顰めた。そしてその次の瞬間、話しかけてきた青年たちを始めとして周りにいたたくさんの冒険者たちが寄ってきた。
「すげぇ、本物の鏡魔術師様だ!」
「あの、サインください!」
「お話聞かせてください!」
「兄貴って呼んでいいですか?!」
「隣の子とどんな関係なんですか?」
「なんでマーレンに来たんですか?!」
「珍しい素材とかあったりするんですか?!」
「パ、パーティーメンバーの枠って開いてませんか?」
「私に魔法、教えてほしい」
「あらぁ~かわいい顔してるじゃないの」
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってぇぇぇぇぇぇえ!」
ギルドの職員がお酒とつまみを持ってくるまでの間、俺は冒険者たちに質問攻めにされていた。