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おまけ:メアとファナの旅8

 兵隊蟻(ソルジャーアント)の騒動から、二日が経った。無事、兵隊蟻(ソルジャーアント)の騒動は幕を閉じた。なぜそう言い切れるかというと、今朝、ミラトがほかの冒険者たちと共に、地上に戻ってきたのを確認したからだ。もちろん私はすぐにミラトの元に行こうとした。だけど、ミラトの横にはシンファルラ殿下がいるため、そんな不敬になりうる行為はできないし、何よりも人混みがすごくて、今いる場所にとどまることで精いっぱいだった。


「またあとで話せるわよぉ~」

「うん……」


 私もその時はそう思っていた。でも、思い通りにはいかなかった。ミラトはその後、すぐギルドマスターのところに行ってしまった。冒険者として、報告は必須だし、何よりこの大事件だ。報告が最優先されるのは仕方ない。きっと、ミラトはまた広場に戻ってくるだろう。そう思っていた。しかしいくら待ってもミラトは広場には戻ってはこなかった。仕方なくその日は宿に戻った。











「ミラト、何しているのかな……」


 兵隊蟻(ソルジャーアント)の騒動が終わってから三日後、私はディエナ商会に買い出しに来ていた。そんな独り言を漏らすと、たまたま商品のことで話していたディエナさんから思いもよらない発言が飛び出してきた。


「ミラトさんなら、三日前の夕方頃、こちらに来ましたよ?」

「え……? 本当?」

「えぇ嘘は言いません」

「なんで……教えて……?」

「いいですけど、ただでとはいきませんよ?」

「……分かった、これでどう?」


 私はディエナさんに大金貨を五枚、金額にして五十万ルナを手渡した。それを受け取った彼は話を続けた。


「ミラトさんの此方に来たご用件ですが、大まかに二つですね」

「二つ……?」

「えぇ。 一つはミラトさんの奴隷だったお方の奴隷身分の撤廃ですね」

「ほかには……」

「後は指輪を二つほどお買い上げになられましたね」

「指輪……?」

「えぇ、婚約指輪でしたね」


 それを聞いた途端、私は急にカウンターの机を思いっきり叩いてしまった。ディエナさん含め、周りにいた人たちもびっくりした様子でこちらを見ている。


「そんな……なんで……婚約指輪を……何故……」

「ど、どうなされましたか?」

「あ、いや……何でもない。 ありがとう……」


 私はその後、買い物を終わらせて、ディエナ商会から出た。得体のしれないモヤモヤをまた感じながら、私は宿に戻った。

 そして、数日後には、私とファナは王都を出た。

これで一応、三章は終わりとなります

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